好き １ ページ3
「待って、翔太」
「ん、…」
今日は、祝日。
翔太はお仕事がお休み。
久しぶりに、二人で買い物中です。
「翔太、…手繋ごう？」
「ごめん、…無理。」
「ううん、大丈夫。ごめんね」
「…」
私達は、これでも一応付き合ってる。
けど、もう付き合って一年目。
さすがに、キスとかしてても普通な頃だろう。
でも、付き合っても特に何もない私達。
飽きちゃったのかな。
「しょう…」
呼びとめようとするけど、これ以上呼び止めて何も進展がないだろう。
私は、多分諦めてる。
「(キライなのかな…)」
曇ったままの気持ちを押えつけてショッピングを続けた。
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「たくさん買っちゃった…」
ついさっき、可愛いアンティークショップを見つけて入ってみた。
私好みのものが沢山あってテンションが上がった。
「ごめんね、翔太。嫌だったら先帰っててもいいんだよ？」
「俺も、いる。」
「…そっか！」
翔太の事よく分からない。
一年も一緒に居て、何でも知ってるつもりだったけど…。
私、翔太の事何にもわかってない。
「ごめんね。」
こっそり呟いたけれど、やっぱり翔太には聞こえてないみたい。
「あ、…くろちゃん」
「くろちゃん？」
くろちゃん…96猫ちゃんの事かな。
見上げてみると、さっきと違って少し明るい顔だった。
「お話し、してきたら？」
「いいの……？」
子犬みたいな表情をして訪ねてくる。
でも、多分それはほんの少しだけ。
「行ってらっしゃい」
頑張って笑顔を作ると、「うん」と言って行ってしまった。
胸がチクッと痛みます。
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作者名：ろき＠いぶ | 作成日時：2018年3月24日 13時
