遠くの街としあわせと‥１(ＪUMPｘＪＵＭＰ) 街シリーズ(１) (ページ30)

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＝部屋・３＝ページ30

「こんのぉぉ～～～ばかやろぉぉ～～～！！」

バスタブの端で叫んでる光に向かって俺は

「イッテェェ～～～ッッ！！
　光っ、な、何すんだよっっ。」

「何すんだよじゃねぇーよっ！！
　ったくっ。ロクなコトしねぇーなっ。
　まったくっっ。もう、オレは出るっっ！！」

「ちょっ。待ってって、光っっ。」

光は、ザバッっと立ち上がって

俺の言葉なんか無視して

バタンっと風呂場を出て行った。

＿＿＿やった・・。やっちまったっ・・。＿＿＿＿

バスタブの中で、頭を抱え

腹を擦りながら・・

ボソッと呟いた。

「あ―――。さみしい・・。」

とっっ！！言っている暇はないっっ！！

早く出て謝んなければっっ！！

勢いよくザバッッと、

水しぶきをあげてバスタブから出て

急いで脱衣所で、体を拭き

パンツとスエット下を履いて

上半身裸のままドアを開け

Ｔシャツを着ながらリビングのドアを開けた。

光はソファに座って、クッションをギュッと抱え

俺の方を見ずに

「こ、宏太っ。早く座れよ・・。
　ほら、え、映画観るからっっ。」

俺は急いで光の隣に座って

「ごめんっっ。
　光っ、ホント―に悪かったっっ。」

光は正面を向いたまま

「・・悪かったって・・
　何が、悪かったって思ってんの？」

「いやぁ～・・それは・・。
　その・・む、無理矢理して・・。」

「オレ、別に無理矢理とは
　・・思ってないけど？」

「へ・・？？」

光は、照れた様に俺を見つめて

「でもっっ！！オレは、
　お風呂で・・すんの、き、キライなの。
　ほら、宏太。ちゃんと頭拭けよっっ。」

光は自分のバスタオルを、俺の頭に被せて

ガシガシと拭きながら

「ちゃんと拭かないと、風邪引くぞ。
　子供じゃないんだからっ。まったく。
　ほら・・映画観ないと・・。」

・・・何か、話を逸らそうと・・してるか？

なぁ・・光。

俺は、頭を拭いてくれてる

光の手をギュッと握って

「なぁ・・。
　なんで、風呂ですんのキライなんだよ？」

「なっ・・なんでって・・それはっ・・。」

顔を赤くして、口をグッとつぐんで

光は俺の顔をバスタオルで隠そうとして

俺は、ヒョイっと避けて

「なぁ、なんで？・・教えろよ、光。」

光は、俺に被せてたバスタオルを取って

胸元でギューっと握り

俯いて囁いた。

「お、音＿＿＿。
　音が、響くから＿＿＿＿＿っっ。」

「へ・・？？」