哀しいkiss 2

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太輔side


初めてあの店に行った翌日
子ども達との番組のロケが終わった後は
千賀と店を訪ねた




千賀の対応をしたのは、店長だった


彼女は…？
店の中や、観葉植物がある外を探すけど
その姿は見えない



俺の様子に気づいた店長が、昨日のお礼の後
「Aちゃんなら、配達ですよ」
って教えてくれた







Aちゃん？

名前…Aって言うんだ




「昨日フラワーボックス作った子を探してるんですよね？」




太「あ、いや…まぁ、その」

すっかり見透されてて思わず、言葉に困り赤面する





柄にもなく、しどろもどろの俺を見て千賀が
クスクス笑ってる







「まぁ、配達って言っても、すぐそこ…
あのビルのレストランにアレンジ持って行っただけだからすぐに戻りますけど…笑」



意味深に微笑んだ店長

すっかり、俺の下心は読まれてる




太「いや、あの…あれ評判良かったんで
お礼を言いたかっただけです…！」


直立不動の俺を見てまた千賀が、笑い出す



千賀の奴…後で、殺….す！


「….そうなんですね…
良かったです、Aちゃんも喜びます」





「もうすぐ帰ると思うので、少しだけお待ち下さいね…」



そう言うと、店長さんは千賀のブーケの予算と
イメージを聴いた





千「ガヤさんのお目当はいなかったか…笑」



ついさっきまでは、そんな千賀の茶化しを
怒鳴って怒れたかも知れないけど、今の俺は
もう笑えないくらい落ち込んでた

ここに来れば必ず逢える….
また、顔を見れる…そう思ってたのに
今日も、絶対会いたかったのに…




はぁ

萎んでいく彼女への恋心




出逢ってまだ、1日なのに
こんなにまでも彼女に逢えることを楽しみに
してたんだと、改めて思う






「はい、これでいかがですか？」


さすがは店長さん
もっと、ずっとゆっくりでいいのに
あっという間にお洒落で、ゴージャスな
花束が出来上がってる





「Aちゃん遅いですね…」




「良かったら、待っててください
ほら…そこにテラスもありますから…」



そう言われても
はいそうですか、とは言えない


この辺はこの時間人通りも多い
テラスなんて丸見えだし…何より待ってるなんてきっと彼女には……重い






太「大丈夫です…また…」


そう言った時だった





「あ！Aちゃん！！」


そう言って手を挙げた店長さんの視線の先には
昨日と同じように深緑のエプロンをした
彼女….Aちゃんがいた

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