哀しいkiss 2

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太輔side

次の日、俺の様子をニヤニヤ見てたのは
ニカと千賀の二人


かたや、渉は…少し心配そうな顔





渉「俺も一緒に行くよ…花屋」




太「え？」


太「そうなの？昨日は嫌って言ったのに」





.





.




太「ん？」





渉「…心配だからに決まってるだろ」



.





.





太「….ん、ごめ…」


俺がこんな風に一人の人、一つのことに
のめり込むと、高揚してる時も落ち込んだ時も身体と心のバランスを崩して大変な事に
なるのを渉は知ってる





渉「….心配なんだよ」

彼女とのことが上手くいっても、いかなくても
俺は多分、平常心ではいられなくなる




太「わかった、一緒にいこ」





やっと、いつもの笑顔を取り戻した渉




俺を気にしてるのは、ニカ千、渉の三人だけだと思ってた




だから、俺と渉のやりとりを
ソファにうつ伏せになった玉が聞いてたなんて
その時は、夢にも思わなかった






その日は、雑誌の撮影だった

最初にキスマイとしてメンバー全員の撮影
その後に玉の映画関連…
最後が、俺のドラマのエピソード披露



時間は刻々と過ぎていく
いつもはスムーズで、大体時間通りに進むのに
玉の撮影が珍しく押してる



珍しいな
玉って…いつも予定より早く終わるのに






Aちゃんの店が閉まる時間は
夜の8時

それまでには余裕で終わると思ってたのに
これじゃ、間に合わないかも



昨日あんなに無理言って、花束を頼んだのに
マジで申し訳ないじゃん





裕「ごめん、押した」

スタジオを出ると俺の目も見ずに、スマホ片手に歩き出した玉



太「いや、でも…珍しいな、玉」




太「いつもなら…」





？





！？



玉？



そう声をかけて振り向いた時は、もう玉の姿はその辺りにはなかった




なんだ、急いでたのか…玉も







先に撮影が終わって待っててくれた渉に
もしも間に合わない時は、花束を受け取って欲しいと頼んでスタジオに入った




ちらちら頭に浮かぶAちゃんの姿を
振り払って、集中して撮影に臨む




あと少し…

そう思ってスタジオの時計を見たら
もう既に8時15分だった




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