Love Story &yuta2

哀しいkiss 5 ページ22

「…ん、ぁ…」





「…はぁ…」









「……ぁ、…」






「…ん、ぁ…」




君が、俺の手を握り返す

俺たちは、
やっとあの日のように、指先を硬く結んだ






.







.






あの日も君は、俺の身体を押し返し、突き飛ばし、
そして、ビンタまでしたのに

ベッドに押し倒し、キスを繰り返すうちに
俺の指先を握り返した


俺を受け入れた証のように







.







.







きゅっと、固く閉じたられた瞳

苦しげに眉間に寄せた皺



その顔は…
君が、太輔を忘れようと苦悩し、俺を受け入れようとする時のシグナル





この部屋、俺の所に来てから
俺に抱かれる時に、必ず君はこんな風に苦しみ
涙を流す






太輔を裏切った良心の呵責に苛まれながらも
快…楽の波に呑まれ、俺を受け入れてしまう自分を
呪…うように涙を流す









そして、そんな君に俺はキスを繰り返す







裕「愛してる…」






裕「愛してるよ…」






薄い下唇をそっと自分のそれで掬い上げ、
挟むと、小さな吐息が漏れる




「…はぁ…」




細い首が、筋張って…口元が喘…ぐ





「…ん、ぁ…」





好きだよ…



ちゅ、ッ…ぴったり重ねた唇で、Aのそれに
吸い付くと、苦しそうに肩が上がる






「…ぁ」




大好き…







君のストライプのパジャマのボタンを外し
キャミソールを剥いで
俺もグレーのTシャツを脱いで、互いの身体を寄せ合い、寸分の隙間なく抱き合う





それからも…君が俺の名前を呼んでくれるまで
何度も何度もキスを繰り返す





君が、俺を許すまで
俺は…キスだけを繰り返すんだ

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