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哀しいkiss 4 ページ21

雪の降るあの日

アイツを訪ねるフリして俺は、チャイムを鳴らした





アイツがいないのはわかってた


わかっていて、あの日あの時あの部屋、
君と太輔が暮らす部屋を訪ねたんだ







君を…自分のものにする為に






.






.








玄関先で抱きしめた時、ふわり香った太輔の香り







.








.







いつも側で嗅いでいた
その甘ったるい香りが、俺を駆り立てた





怒り
切なさ
嫉妬心
焦り
虚無感

色んな感情が、身体中を駆け巡って
身体中の体…液が煮えたぎり、血液が逆流した







親友であり、仲間でもある太輔
学生の頃から苦楽を共にし、俺を支えてくれた太輔

その太輔が愛してやまない女性、A






わかってた

太輔の側で、太輔の話を聞き…太輔の表情を見て
太輔がどれ程彼女を大切にし、そして愛しているののか、わかりすぎるほどわかってた








わかってたけど…止められなかった







だって…
君に出逢ったのは、俺が先だ





君を好きになったのも、俺が先






俺の方が…先だったんだ








.








.








君を彼女だと太輔から、紹介された日


君は、俺を一度も見なかったね







あれは…
気づいてたからだろ?



俺と出逢っていたことに

俺の過去の想いに



気づいていて…気づかないフリをしたよね?








それって…

Aも俺を意識してたからじゃないの?

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設定タグ:キスマイ , 玉森 , 藤ヶ谷   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:トウコ | 作成日時:2019年5月25日 18時

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