哀しいkiss 18 ページ35
ここに来た時より痩せて、
こうして横になると腰骨から下腹部にかけて
窪みになり、骨盤の形が露わになる
その窪みに顔を埋めた
「…裕…太…?」
下腹部と、太ももの間は…
俺が今までに触れたことのない場所だ
いや、多分…
太輔も…
大切にAを愛し、ノーマルを外す事で
嫌われるのを怖がっていた太輔が、そこを
愛する訳がない
「…裕…?」
その窪みに顔を埋めたままの俺に、違和感を
覚えたA
声が不安感を帯びてる…
.
.
淡い茂みと、なだらかな丘陵
この中だけは…太輔に愛されてない
俺が…初めてで、俺だけのもの
嫌われるかも知れない、そんな気持ちが
ちらっと頭をよぎった
ウブなA…しかも、今日みたいな不安定な日に
俺が想像してるような事をしたら…嫌われるかも
でも…
そこに顔を近づけた時、ふわり香った匂い
Aのフェロモンの匂い
オトコをおびき寄せ、惑わせる匂いがして
俺の理性の箍を外した
さわっ…
茂みを指先で撫でてみる
「裕太?」
柔らかなのに弾力のある茂みが、指に絡まる
その茂みから…ツ、ツーーっと、指を下ろした
「裕太!?」
身体を起こし、俺をみたA
怯えた瞳と、泣き出しそうな顔
「何…するの…?」
「やだ…よ…」
裕「何が…?」
裕「何が、嫌なの?」
「……」
裕「何をされると思ってるの?」
「………」
裕「好き合ってたら、シたいと思うよ、普通…」
「…!?」
裕「シてあげたいと思う…」
「…何…?やだ…よ」
ブンブン頭を振ったA
裕「何をされるかは、想像できるんだね…」
「…お願い…やだ、」
裕「俺が、初めての場所が欲しいんだ…」
「…!」
見開いた目、瞳がゆらゆら揺れ始める
裕「誰にも愛されてない…初めての場所…」
裕「Aの一番大切な所を愛したいんだ…」
裕「いいでしょ?」
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作者名:トウコ | 作成日時:2019年5月25日 18時