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哀しいkiss 16 ページ33

あの日のことが、フラッシュバックした


同じように横たわり…涙を流すAを
目の前にして。





太輔は、Aを…Aは、太輔を…
二人は、互いにその手を離してしまったことを
後悔し、今も変わらず、想い続けている






俺は…
この人を、太輔に返すべきなんだろうか






「…裕太…?」



不安げに揺れる瞳




Aに、今も太輔が君を想っていると…
君を想って苦しんでいると伝えたら…
君はどうするだろう







「…裕太?」







「…私…ここから出て行った方がいい?」



切なく笑った君





その顔は、太輔を裏切り、別れを決めた日
行くあてもなかった君が、ここに来てもいいかと
聞いた時と同じだ






.







.








Aは、太輔と付き合い始めて、マスコミ対策に太輔が借りたマンションに住んでた。





家具も日用品も、全部自分が用意した、って
嬉しそうに太輔が言ってた





だから、そう…
ここに来た時も身体一つだった







裕「ここを出て…どうするの?」






「…お金なら、少しはあるから…」



Aは、南青山にある花屋に勤めていて、
そこで、太輔とも出逢った





「一人で…」







裕「一人で暮らせる訳ないだろ?Aが…」






「……」






俺がいないと食事だって食べないじゃん

夜だって…眠れない




そうだろ?







「…でも…」




裕「ここにいて…俺の側にいて…」



俺だって…Aがいないと生きていけない




好きで…好きで…好き過ぎて…
全てを失っていいと思って、太輔から奪ったんだから…







裕「離さない…」





ベッドに沈んだAの顔の横に両手をついた





裕「絶対…離さないよ…」









例え、どんなに太輔が苦しんでいようと…
君の心が、未だに太輔にあろうと…
そんな事は関係ない


君を失う事に比べたら、何でもないんだ






「裕太…」






裕「離す訳ないだろ?」





裕「こんなに好きなのに…」




君は、俺にとっても唯一無二の存在
他の誰にも変えられない…失うなんて有り得ない





オデコに張り付いた前髪を、人差し指でそっと掬い取ると…そこには、太輔の大好きな産毛が光ってる




まぁるいオデコに、キラキラ光る
細くて金色の産毛は…太輔じゃなくても気持ちが
高揚する




裕「好きだよ、A…」





裕「大好き…」



俺は、
太輔もキスを落としたであろう、その産毛に
唇を重ねた

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設定タグ:キスマイ , 玉森 , 藤ヶ谷   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:トウコ | 作成日時:2019年5月25日 18時

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