初恋の人 ページ27
「ごめんね、私が…」
？
「ちょっと警戒し過ぎちゃったね…」
裕「え…」
「裕君はさ、ただ幼なじみに逢って嬉しかっただけなんだよね？
懐かしくて…昔に戻ったみたいに、一緒にいたくなっただけなんだよね？」
「裕君は…昔のまんま…
二人の関係も昔のまんまだったんだよね」
「私が…意識し過ぎちゃったみたい、笑」
裕「Aちゃん…」
「そうでしょ？」
.
.
.
裕「……う、ん」
今は…
少し引きつり気味の顔でそう答えて
無理矢理笑うしか出来なかった
本当は…そんなんじゃないけど。
本当は、今だって…
君の隣に行って抱きしめちゃいたいけど
全てをわかってて
泣いてて、車も出せずに泣いてる俺のために
ここに戻って来てくれた優しい彼女に
これ以上嫌われたくない
裕「嬉しいに決まってんじゃん！
初恋の人に逢えたんだよー
嬉しくて変なテンションになっちゃったかな、笑」
「初恋の…人？それ、初めて聞いた…」
「…私が？嘘でしょ？」
裕「嘘なわけないじゃん…」
こんな時嘘つく訳ないでしょ？
そんな余裕ないし…
裕「Aちゃんは、俺の初恋の人だよ…」
その言葉で、君の心が少しでも俺に向くといいな、
って思った
でも
君は…
「…ほんとかな、笑」
って笑って、全然相手にしてくれなくて
.
.
ちょっと頬を染めて、照れくさそうに
「大輔も…そうだった、って言ってた」
って、呟いた
「嘘っぽいよね、笑」
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作者名：トウコ
| 作成日時：2019年5月12日 16時
