成人式 ページ17
念のために、
彼女は後部座席に座らせた
まだ、始まったばかりなのに
写真誌なんかに撮られたらたまんない
裕「旦那さん…何やってんの?」
車が走り出したら直ぐに聞いた
彼女を安心させるために…
「電機メーカーのデザイナーなの…」
裕「いくつ?」
「同じ歳…裕君知ってる人だよ…」
裕「え?」
「…大輔君だよ、おぼえてる?」
覚えてるに決まってんじゃん
よく一緒に遊んだ…結構仲のいい方だった
中学は…学区が違ったけど
小学校の頃は、Aちゃんも一緒に六年生まで
良く遊んだ
裕「大輔…」
裕「いつ、何で?」
ついつい取り調べみたいな口調なる
「裕…君…?」
裕「何でアイツなの?」
確かに頭は良かった、運動もできた
Aちゃんと一緒に学級委員やってる時もあった
でも、何でアイツ?
「中学からは別だったでしょ?
でもね、成人式の日に同窓会したの
裕君にも連絡来たでしょ?」
裕「あ、」
「でも、裕君はお仕事だったんだよね
確か…舞台に出てたよね?誰かが言ってたよ…」
そうだ
あの時、俺は成人式に出れなかった
いや、出たくなかったんだ
中学、高校ではジャニーズってちやほやされて
いい気になってたけど
20歳になる頃には、先が見えなくて不安と不満しかなかった
後輩にデビューを先に越され、
いつまでジュニアなのか、この先やっていけるのか
苦しくて辛くて呑気に成人式に行けなかった
どうせ、興味本位で揶揄されるに決まってる、そう
思ってた
だから…成人式も同窓会も行かなかった
「裕君…忙しいんだね、って皆んなで言ってたんだよ…」
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作者名:トウコ | 作成日時:2019年5月12日 16時