ただ…笑ってて。 (ページ34)

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林檎×サクランボその後。11 ページ34

海side

陸の啄むようなキスが

唇から…頬へ…

頬から…耳たぶへ…

「や、…くずぐったい…」

陸「やだ、やめない…」

陸「好きなんだもん、空の耳たぶ…」

甘噛みされて…空が肩をすくめる

クスクスと

可愛い声が、静かな部屋に響く

幸せそうな二人

二人の愛し合う姿は…美しい

見ていて…幸せな気持ちになる

俺の時とは…違う

誰かの身代わりにその身体をダミーとして

愛してる俺とは違う

.

.

.

陸「海？」

ドアの前に立った俺に陸が、気づいた

陸「ごめ、俺ばっかり…」

陸「代わるよ…」

陸の身体の下の空が、不安そうな顔で見つめてる

ふ…っ…

海「今日は、いいや…」

陸「え…」

海「お前が、いいトコで邪魔したからだよ…」

最後まで…

イくとこまで見たかったのに

そこまでさせたかったのに

そうすれば

満たされると思ったのに

お前の優しさと…空への愛が、邪魔したんだよ

陸「海…ごめ…」

.

.

海「空を頼むわ…」

いっぱい…愛してやって

普通の愛で…正しい愛し方で…

俺の妹を愛してやって…

.

.

海「じゃあ…」

.

.

.

もう…終わりだ

俺の偽りの愛は…

.

.

.

空を身代わりにするのは…終わり…

.

.

.

自分に正直になろう

.

.

本当に欲しいものに、手を伸ばそう

.

.

全てを失ってしまうかもしれないけど

全てを壊してしまうかもしれないけど

.

.

.

もう…

自分に嘘をつくのは…終わりだ

end