林檎×サクランボ その後。5 ページ28
空「大丈夫！？」
空「お兄ちゃん…大丈夫！？」
目を閉じて…足の力を抜いて…膝から崩れた
「海！？」
「海ッ！」
空「どうしたの、お兄ちゃん！？」
「熱が、あったのよ…海は…」
「だから…ッ！」
空「熱！？」
空「お兄ちゃん！お兄ちゃん…大丈夫！？」
はっきりした意識の中で
母さんと空…
同じ声色、同じ髪色…同じ柔らかな肌に
包まれて俺は、ベッドに横わった
あと…少しだったのに
もっと、母さんを抱きしめたかったのに
空「お兄ちゃん…お兄ちゃん、大丈夫？」
「今…お薬を飲もうとしてたのよ…
そしたら、倒れて母さんに寄りかかったの…」
空「そうだったの？お兄ちゃん…」
空「お兄ちゃん…お兄ちゃん、ごめんなさい…」
空「ごめんなさい…ッ」
泣きじゃくってる空
その横で、手際よく薬を用意し
氷枕を敷き、おでこには冷たいタオルを当てがう
母さん
空の奴…
このまま…許すわけにはいかない
俺の熱を
この身体の中心の熱を
どうしてくれる？
許さない…
空…俺は…お前を許さない
お前は…ダミーなのに
母さんの身代わりに過ぎないのに
俺の母さんへの想いの邪魔をするなんて
許さない
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作者名：トウコ
| 作成日時：2018年12月22日 7時
