林檎×サクランボ その後。3 ページ26
「…う、…み…」
「…何…」
海「どこ行ってたの？」
海「何してたの？」
海「…誰と…」
.
.
「そ…れは…」
「宏光さんと…食事…」
海「父さんと？」
父さんだけと？
食事だけなの？
海「…毎年…毎年…」
.
.
海「…そのワンピース…着て…」
海「母さんに似合う服なんて他にもあるのに…
母さんなら、もっと今はやりの…」
海「何で？」
海「何で…いつも、いつも…」
海「母さんは、ッ…！」
！！
「海ッ！？」
「何ッ…！？」
.
.
！！
母さん…！
.
.
思った通りだ…
想像した通りだ…
ずっと…ずっと…
物心ついた時から側で見つめて…
想いを馳せて
あの夏の日
実の兄である太輔おじさんとホテルに入っていく
姿を見た時も
嫌悪感どころか
益々、想いは強くなった
妻になり
母になり、歳を経て尚…
二人の男性を魅了してやまない母さん
その母さんの肌…香り…柔らかさ
思った通りだよ
母さん…
「…う…みッ…」
「苦し…ッ…」
「何…、どう…したの…」
腕の中で
息も出来ずに…固まり…
戸惑ってる母さん
愛しい人…
ずっと…ずっと…
我慢して来た
双子の妹…
空を身代わりにして…
母さんのダミーとして愛すことで
自分の身体と心を満たそうとした
でも…
ダメだった
ダメなんだ、母さん…
.
.
そっくりな肌…
髪色…声…
母さんと、空は同じで
身体は満たされても…
俺の心は
満たされなかったんだよ
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作者名：トウコ
| 作成日時：2018年12月22日 7時
