苺は、私。28 ページ32
「ベッドいこ…」
二人で…
千穐楽のお祝いして
美味しい物食べて…
大きな苺ののったショートケーキを頬張って
ゆっくり湯船に浸かって
それから…ベッドへ
俺の予定は総崩れだけど
もう、そんなのどうでもいい
もう、我慢できない
「い？」
一応、聞いておく…
ノーは、ないけど
「…安心させてあげる…」
「分からせてあげる…」
「俺は、ここにいる…どこにも行かない…」
「Aの側にいる…」
「だから…、ね？」
「………」
A？
「……でも…」
.
.
あーもう、じれったい
「はい、行こー」
ひょい、って抱き上げて…
Aは
ひやぁー、って声をあげて
「首、掴んで…」そう言うと
ふふ、って笑ったAが
細い腕を俺の首に回す
俺の腕の中で、笑うA
俺に身体の全てを預けてるA
大好きが溢れて…止まらない
「行こ…」
この気持ち…伝えたい
全部…全部…伝えたい
.
.
ゆっくりベッドに下ろしていくその身体
俺がこれから愛する身体
俺の愛を伝えたい身体
「今日は…寝かさないよ…」
言ってすぐに後悔した
こんなキザで、ありがちな台詞
でも…Aは、嬉しそうに笑った
「寝かさないで…」
「ずっと…裕太を感じさせて…」
「貴方は、ここにいる…って
どこにも行かない、って…」
.
.
「あぁ、俺は…どこにも行かないよ…」
「ずっと、Aの側にいる…」
「A…」
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作者名：トウコ
| 作成日時：2018年9月29日 15時
