苺は、私。27 ページ31
裕太side
「泣かないで…」
「キスをあげるから…」
「いっぱい、あげるから…」
俺はここにいる…
居なくなったりしない…
そう、分からせてやるから
落ちて潰れてしまう前に、置いたショートケーキ
そして
ほんの少し、緩めた身体
と、同時に両手で包んだ頬
「もう…泣くな…」
「泣かなくていい…」
ほら
睫毛が濡…れてる…
目だって、真っ赤じゃん
「裕…太…」
「ごめんね…」
「…？何で…？」
「本当は…裕太の好きなご飯作って…
裕太にお疲れ様、って言いたかったの…」
「でも…」
真っ暗なリビング
「ずっと、泣いてたの？」
コクン、頷いたA
「そっか…」
「ごめん、は…俺だ…」
Aにこんなに心配させてしまった俺
「ううん、裕太は悪くない！」
「俺が悪い！」
「私！」
「俺ッ！」
「…私…！」
笑
笑
やっと…笑った
ふにゃ、って笑ったその目から涙が落ちる
「もう、泣くのは…おしまい…」
「ね？」
ちゅ、頬に光る涙を掬った
ちゅ、そのまま頬にキス
「もう、泣かないで…」
「A…」
「大丈夫だから…」
ちゅ、
ちゅ、
愛おしい…そう思う気持ちが…唇を重ねる
下から掬い上げるように…
可愛い下唇を
ヒヨコさんみたいに…
触れるキス
想いを伝えたくて、
止まらないキス
好き
大好き
愛おしい
君が、大好き
.
.
もう
止まれない
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作者名：トウコ
| 作成日時：2018年9月29日 15時
