苺は、私。21 ページ20
裕太side
「私も…大好きだよ」
「裕太が、大好き…」
くふ…って、笑って
俺の胸に顔を埋めたA
柔らかな髪が、俺の頬をくすぐる
「幸せ…」
心の底から、そう思う
Aと出逢えたこと
Aと付き合えたこと
そして…
今もこうして…俺の側にいてくれること
それだけで…
もう、十分幸せ
何も望むことはない
何、一つ
.
.
「今日は…もう、おしまいにしよ」
「え？」
腕の中から俺を見上げたA
その瞳には
明らか、不安の色
「ど…して？」
.
.
裕「明日…千穐楽だから…」
「…？」
裕「明日、無事に終わらせたいから…」
裕「怪我なく、事故なく…
無事に千穐楽を迎えたいから…」
「今日は、もう休む？…笑…」
やっと安心したように微笑んだA
裕「…ん、」
裕「その代わり…」
「その代わり…何？裕太…」
裕「明日は…」
「明日は？」
裕「ちゃんと終われたら…」
「終われたら？」
裕「いっぱいご褒美、頂戴…」
目一杯Aに褒めてもらって、甘えたい
「ふふ…」
可愛い吐息が、俺の肌にかかって
Aが俺を見つめる
裕「いい？」
俺のお願い聞いてくれる？
.
.
「いいよ、裕太…」
裕「本当？」
「…ん」
「私も…裕太にご褒美あげたい…」
「いっぱい…いっぱい、あげたい…」
「明日は…」
「いっぱい、シてあげたい…」
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作者名：トウコ
| 作成日時：2018年9月29日 15時
