苺は、私。16 ページ15
こんな優しいキスは
あの日以来…
そう、貴方が…初めて抱いてくれた日以来
「もう…泣くな…」
「泣かなくていい…」
そう言って、瞼にキスをくれた貴方
柔らかな吐息で、全てが溶けちゃいそうになる…
ちゅ、
涙をすくい取った唇
「Aの涙…美味し…」
ふわっと笑った貴方
ちゅ、
ちゅ、
瞼に繰り返される…愛.撫
「気持ち…い…、裕太」
「そ？」
「溶けちゃいそう…」
「ふふ…可愛いな、Aは…
溶けちゃえばいい…全部…」
「俺が、溶かしてあげるよ…」
「……でも…」
「んー？」
「明日、お仕事なのに…
早く休んで、明日に備えなきゃ…明日は千穐楽」
「やめろ、って事？…これを…」
ちゅ、
また…瞼とおデコに落ちて来たキス
「やめていいの？」
ちゅ、
ちゅ…
「俺は、やめたくない…やめらんない…」
「やめるなんて、到底無理…」
「Aを、もっと味わいたい…」
返事を待たずに
脱がされていく服達…
「今日は、無理だよ…」
「止めらんない…」
もう既に、散々愛した身体なのに
今は…また、全然別物のように感じる
俺が思ってる以上に、
ちゃんと俺を心の底から愛してくれてたAを
知ってしまったから…
初めての日みたいに
.
.
「…あ…」
可愛い耳たぶ
俺の声を聞いてよ、ね…「愛してる…」
可愛いほっぺ
誰にも触らせないで…「柔らかい…」
ちゅ、
鼻先も…
柔らかな髪に隠されたおデコも…
汗が光る赤ちゃんみたいな産毛も、大好き…
そして、綺麗な鎖骨のラインも…
「綺麗だよ…」
「大好きだよ…」
「ねぇ、気持ちい？」
そう聞くと
言葉よりも先に、その指先が反応する…
俺の髪を掴んだ指先が…
小さな吐息と一緒に反応する…
「気持ちい…」
.
.
「良かった…」
思わず、微笑む
「裕太…」
「…ん？」
ペロ、鎖骨に舌を這わせながら顔を上げる
「…幸せ…」
「裕太の愛が…伝わってくるみたい…」
「A…」
「唇と…指先と…言葉から…」
「伝わって…」
「私の中に入ってくるみたい…」
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作者名：トウコ
| 作成日時：2018年9月29日 15時
