xLunaSx ＊俺の彼女 短いお話集47＊

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太輔side


太「芽依ッ！」





太「待って！！」





走り出した芽依のワンピースの裾が揺れてる


彼女の気持ちを表すように








太「待て、って」






太「待って！！」







「嫌ッ…」





「嫌です」







「ほっといて！！」






「もう、ほっといてください！！」








太「ほっとける訳ないだろ！」


やっと捕まえた芽依




細くて折れそうな手首








こんな君を…

このままにしておける訳がない







「嫌ッ！」






「や！！」






掴んだ手首を振り払おうとして

泣きながら暴れる芽依





「離して！」






「離してください！」







…ったく


言うこと聞かない奴だな

こんなに聞き分けのない奴だったんだ


芽依って…







いい加減にしろ！






太「芽依ッ！」






もう、これしかない…





太「大人しくしろッ！」





折れそうな手首を引き寄せて

その身体を腕の中に抱きしめた






さらっと、ワンピースの柔らかな感触の後

感じる芽依の身体




ふわっと香る芽依の香り

甘い…果物みたいな香り






「先輩…！？」







太「もう、じっとしろ」






俺の腕の中にいろ


そして、落ち着け


落ち着いて…

泣くのはやめて…








「藤ヶ谷…先輩…」






トクン


どちらのか分からない鼓動が一つ






「どして…」





トクン


これは、俺の心臓の鼓動







「何で…」




トクン

芽依の鼓動






…






…






…






Aとは違う女の子の香りと身体の柔らかさと

二人の鼓動が重なる





不思議な感覚




A以外で

こんな風に胸が高なるなんて思いもしなかった







A以外の女性に

胸がときめくなんて思わなかったのに…







今、抱きしめたこの腕を緩めたくない






ずっとこのまま




いや、或いは

もっと…君を感じてみたいとさえ思う








太「泣かないで、芽依…」




そう、心から思う







「先輩…」






…






…







…






腕の中の華奢な女の子を

もっと知りたい、と思った






もしかしたら

彼女を愛せるかも、そう思った







Aを忘れさせてくれるかも…







ずっと…ずっと…

触れることも出来ない、会うことも出来ない

そんなAの呪…縛から


俺を救い出してくれるのは

芽依かも知れない






芽依…なのかも知れない

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