xLunaSx ＊俺の彼女 短いお話集46＊

xLunaSx 58 ページ30

『別れてください…』






『そして、貴方も…自由になって…』







お母さん…






『貴方は、まだ若い…十分やり直せる…』








『Aの事は忘れて、やり直して…？』









Aの事を忘れる？





俺が？


この目の前に眠るAと別れて…

全て忘れて…生きていく？







裕「それは…出来ません」





『どうして？

この子は、貴方を裏切ったのよ

あの…藤ヶ谷さんと………！』






お母さんは

Aとガヤの何を見たんだろう

別れの抱擁？

それとも…キス？





裕「それでも…構わない…」



『え…？』






裕「それでも構わないんです…」








裕「俺は…、いや…彼…藤ヶ谷も…」






『それって…どういう…』







裕「俺たち…二人とも…

真剣にAを愛してるんです…」








裕「俺と同じくらい、藤ヶ谷もAを愛してる」







裕「二人のAへの想いは、

どちらも、同じように真剣で純粋なんです」









裕「ただ、あの日…

事故に遭った日…Aは、俺と生きていくと

俺と家族を作りたいと言ってくれました…」







裕「もしかしたら、目を覚ましたら

俺だけを選んでくれるかも知れない…

でも、今は…」









裕「Aが、目を覚まさない、今は…」







裕「俺から、彼女の手を離すなんて出来ない…」








裕「出来ないんです…」





『裕太さん…』

真っ直ぐ、俺を見つめていたお母さんの視線が

Aへと向かう








裕「それに…もし仮に、Aが藤ヶ谷を

選んだとしても…俺は、彼女を諦められません…」









裕「それくらい…

俺も藤ヶ谷も彼女を愛してるんです…」

xLunaSx 59→←xLunaSx 57

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す