xLunaSx ＊俺の彼女 短いお話集46＊

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毎日、仕事に行く前に

その寝顔を見て…

毎日、仕事帰りに病院に寄った





面会時間ギリギリまで

Aに付き添い…

時には、ガヤと飯を食った







俺が、仕事の間は

お母さんが、Aに付き添った









Aが、目覚めたら

一番に使おうと思って、家から持って来た

俺とお揃いのカップは

使うことないまま、

サイドテーブルの一番後ろに追いやられてる







もう、そんな生活がどれくらい続いただろう








＊






今日は、忙しかった


いつもより、1時間遅い…







早く行かなきゃ、ほんの少ししか

Aの側にいられない







汗を拭きながら、受付を済ませて病室へ





この時間だと

もう、お母さんは帰ってるはず…






Aは、独りぼっちだ







返事があるはずのないドアをノックしようとして

手を止めた







中から聞こえる声





これは…

お母さんの声







ーなかなか来ないわね、裕太さん







ーお仕事、忙しいのかしらね







その問いかけに

答えはなく、静寂は広がったまま







ーお引越ししようか？







ーAちゃん







？


お引越し？







ーうちの側の病院に…








Aは、事故で運ばれてから

ずっとこの病院にいた





けれど

重症や、急性期の患者さんも多いこの病院で

眠っているだけのAは

転院を促されても仕方ない






病院側から…そんな話があったんだろうか






しかも、Aの実家からは

電車を乗り継いで1時間はかかる






お母さんは

これから帰ると家につくのは、9時過ぎだ








ーお母さんの側にいたら





ーそしたら、寂しい想いもしなくて済むでしょ？









ー裕太さんだって…






ー大変だと思うのよ…









…お母さん…


あの日、事故の直後、俺を責めてからは

一度も俺にその話をしなかったお母さん







娘を返して…



別れて…



そう迫ったのは、あの日だけだった









ー裕太さん、気の毒だわ







ー仕事だって忙しいのに





ーすぐに、諦めてしまうと思ってたのに

ちゃんとAちゃんに付き添って





ー毎朝、毎晩…

いつか、裕太さんまで身体を壊してしまう









ーもう、お母さんとこに戻っておいで？







ーお母さん、ずっと側にいるから







ーAちゃんの側にいるから







ー寂しい想いなんてさせないから







ーね？





ーAちゃん？

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