xLunaSx 54 ページ26
まだ
ダメ
こっちには
来れないの
貴方には
やらなきゃいけない事があるから
まだ
この河は…渡れない
死….ねない
生きなきゃダメ…
*
お願い…
「死…なせて…」
最後の力を振り絞って、そう乞うたのに
その最期の願いは、叶わなかった
ガタガタと
動き回る人の気配
身体に纏わりつく、医療機器
私を、生かす為の経管栄養
そして
時折聞こえる
裕太と太輔の声
二人の声
裕太は、全てを知ったんだろうか
太輔と一緒にいる、ってことは
蟠りはないんだろうか
…?
あれは、お母さんの声
虚ろな意識の中で
聞こえるお母さんの声
お母さん…
裕太と…話してるの?
…
…
途切れ、途切れ
聞こえるお母さんの声
いつもの穏やかな声じゃなく
低く、くぐもった…押し殺したような声
『どうしてこんな事に…』
『あんな時間…』
『あんな格好で…』
お母さん…裕太を責めてるの?
悪いのは、裕太じゃないのに…
悪いのは、全部…私なのに
『返して』
…?
『目が覚めたら、返してください』
別れろ、ってこと?
裕太に、離婚を迫ってるの?
『貴方に、娘は任せられない…』
…
…
…
深い…深い眠りの中から目覚めた瞬間だった
お母さんが
裕太を責めてる、そうわかった時が…。
私の大切な人を、母が苦しめてる…
裕太は、悪くないのに
目を開け、
口を開いて
裕太は悪くない、そう言えばいい
出来るだろうか
今の私の身体は…
裕太を守る事が…出来るだろうか
やれば、出来るような気がした
けれど
私は、身体を動かす前に、心と瞳に鍵をした
もう、
二人の元には帰らない
帰れる訳がない
裕太を裏切り、太輔を傷つけたのだから
帰れる訳がない
…
…
だから
私は…ずっとこのままでいい
このまま、眠り続け
このまま…死….んでしまえばいい
もし、死…ねなければ
裕太と別れて実家に帰ればいい
悪いのは、裕太だと、母に言い
自分は被害者だと偽って…
裕太と別れればいい
私は…
もうニ度と…裕太に会うことはない
言葉を交わすこともない
それで…いい
それが…私の運命…
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トウコ(プロフ) - れいさん» お話読んで下さって、ありがとうございます。あまり詳しくないのに…、ごめんなさい。良かったら、これからもお付き合いくださいね(*´-`) (2018年7月25日 18時) (レス) id: db3d934a77 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - いえいえ、なんか、すみません(^^;。いつも更新を楽しみにしてます。 (2018年7月25日 18時) (レス) id: 3f760a8e6c (このIDを非表示/違反報告)
トウコ(プロフ) - れいさん» 教えて下さってありがとうございます。訂正いたしました。 (2018年7月25日 18時) (レス) id: db3d934a77 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 除細動の適応は、VT 、 VF 、 AF 、AFL かな。 (2018年7月25日 17時) (レス) id: 3f760a8e6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トウコ | 作成日時:2018年7月21日 10時