偽物の愛。〈俺の彼女お話集42〉 (ページ23)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:63,126 hit

23 ページ23

裕太side

あの日からの二週間

忙しい毎日の中でふと気がつくと

彼女の事を思い出してた

彼女の…笑顔、泣き顔…

足の怪我は治っただろうか…

俺が噛んだ痕は…

桜智「裕太！？」

…あ

桜智「裕太ってば！また…ぼんやりしてる…」

裕「ごめ…」

桜智「久しぶりに逢えたのにー！」

確かに…桜智に逢うのも二週間ぶりだ

桜智「食べよ？」

人なつこい笑顔で、桜智が俺を見つめる

裕「んー」

久しぶりの二人の逢瀬は、俺のマンション

二人ソファに座り、テーブルにはアルコールと

いつものようにデリバリのピザ

いい加減、ピザも飽きたよな

裕「ねぇ、桜智って…」

裕「料理とかしないの？」

桜智「…？」

桜智「どうしたの？突然…」

裕「いや、何となく」

桜智「手料理とか食べたい？」

裕「そういう訳じゃないけどさ…」

桜智「だよねー

だってさ絶対プロが作った方が美味しいじゃない？

それに…」

裕「ん？」

桜智「裕太、出逢った日に言ってくれたよね？」

…？

何…言ったっけ？

桜智「何もしなくていい、って…」

桜智「そんな時間もったいない、って…」

桜智「そんな時間があったら愛し合いたい、って」

…あ、それ…か

それ…って…

俺がオンナを落とす時の常套句だけどね

それ…

真に受けてたんだね

桜智「私…凄く嬉しかったんだよ」

桜智「そんなにまでも私を愛してくれてるんだ、って…」

そう言って、潤んだ目で俺を見つめた桜智

桜智「裕太の瞳に私が映ってる…」

笑

確かに…桜智の瞳にも俺が映ってるよ…

他の女性の事を考えてる俺が…

桜智「あー、また他の事考えてるー」

！？

バレた？

桜智「え、っちな事考えてるでしょー」

？

ふ…

桜智は、わかりやすいな

そんなに俺が欲しいの？

愛して欲しいの？

その太ももが見えたミニスカートも

襟ぐりが開いたカットソーも俺を誘う為でしょ？

スる…為でしょ？

悪くない…けどね…

でも…さ

凄くいい訳でもないんだよね…

今となっては…

裕「食器片付けようか…」

それは…ベッドに行こう、の合図

桜智「シャワーは？」

それも、ベッドに行こう、の合図

裕「先に、食器片付けよう」

これから…

シてあげるから…