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ログハウスからの長い道のり…

二人の間には…ただ一言の会話もなかった






さっちゃんに紹介される前

互いを知らなかった頃に戻った二人






玉森さんは…




"親友の彼"

"遠い世界にいるアイドル"









この車を降りたら…赤の他人






「その先で下ろしてください」




私のマンションを伝えると、

その通りから一本入った路地へ








そこで、ウインカーを出した玉森さん





「送ってくださってありがとうございました。」




そう言って…ドアを開けた。





裕「A…ちゃ…」






















「さようなら」




俯いたまま、彼の言葉を遮り、背中を向けると

ゆっくりドアを閉めた






長い沈黙の後…

彼の黒い車は、諦めたように夜の街に滑り出した





















小さくなっていく彼を乗せた車








その時の私は

ただ…ただ、何ごともなくこの場所に

戻ってきたことに安堵してた





これで全て終わる…





いつもの私に戻れる





昨日から…私に起きた事は、全部…夢だった






悲しい夢…?






苦しい夢…?





辛い夢?












本当に…





本当に…




















辛いだけの夜…だった?



















窓辺に立って

彼が帰って行った静かな街並みを見つめる






















悪魔ような顔




わがままな人




さっちゃんを裏切る…酷い人




乱…暴で




意地悪で…





最低な人…






たった今、

あの人から、解放されて安堵したばかりなのに


どうして…?






どうして…私は

彼の顔ばかりが浮かぶんだろう…





どうして、

暗闇に去って行った彼を探してるんだろう…






どうして、

悲しい気持ちになるんだろう…






なぜ…?




















なぜ


















涙が…






出るんだろう…

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作者名:トウコ | 作成日時:2018年5月26日 6時

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