翡翠の涙。瑠璃の笑み。〈俺の彼女 お話集38〉

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裕太side


太「ね、行こ？」




そう言って肩を抱いたガヤに

渉が言った





渉「今日は、もうおしまい…」






渉「明日も早いだろ？ちゃんと、身体休めないと」





太「ちぇ…」





渉にかかると

ガヤも小さな子供みたいだ…





太「いいじゃんよ…」






渉「だーめ、ずっと眠れてないだろ？」





太「…それは…」







渉「あと…今日は酒飲んだんだから…

もう、車…乗れないからな…」






渉「出掛けちゃダメだぞ…」








太「あ…」

気まずそうにガヤが俯く







裕「何？どういう事？」






渉「太輔…探してんだよな…」






太「渉、黙れー」







裕「探してる？」





渉「そう…さっき話してた彼女を…」






太「だから、黙れって…」






裕「嘘…マジ？

だって、7年も前の話でしょ？」






太「……」







裕「あてでもあるの？」






太「……」






渉「ないんだよな、全然…

電話も、住んでるとこも、仕事も…なーんにも

わかんないんだよな…」







裕「嘘だろー」





裕「そりゃ、無理だろー」







渉「玉ッ！」






…







…







…








太「わかってる……わかってんだ…

簡単に見つからない事くらい…

でも…」






…






…






…







太「逢いたいんだ…」






裕「ガヤ…？」






太「逢って…」






裕「逢って？」






太「7年前…どうして別れたのか、

本当の理由を聞いて欲しいんだ…」







太「今更、女々しいと思うけど…」







太「あの日のすげー悲しそうな目が、

忘れられないんだよ…」







太「いつも、いつも溢れそうな笑顔だった

あいつを…

最後の、最後に泣かせた…

あの時の涙が、今も忘れられないんだよ…」






そういう

ガヤの目も、すげー悲しそうだった




ジュニアの時から…ずっと側にいたのに

初めて見る顔だった







ガヤが、全てを…後悔してる目…








…







…







そんなガヤを見て

俺は…心に誓ったんだ






俺は…絶対、彼女の手を離さない…って




どんな事があっても


絶対

別れたりしない…






Aを


絶対


誰にも渡さない…








そして…

ガヤの元カノも見つかって欲しい…





早く見つかって

出来る事なら、よりを戻して欲しい…







ガヤも…



幸せになって欲しい…って。

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