翡翠の涙。瑠璃の笑み。〈俺の彼女 お話集38〉

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彼女side


ふわっと

浮かんだ身体






？




何？






誰？





裕「危なっかしいなー」





玉森さん…！？





彼に抱き上げられた身体


裕「大丈夫？」







…







…







「…どうし…て？」









裕「ほっとける訳ないだろ？」





裕「泣き虫な…姫を…」







「…….」







裕「君を….ほおっておける訳ない…」







「玉森さん…」






裕「ほら、こんなに血が出てる…」






「…え…」





裕「ほら…」




ベンチに、座らせた私の足からは

真っ赤な血が流れてる







裕「とりあえず…止めなきゃ…」




玉森さんの丁寧に畳まれたハンカチが

器用に足に巻かれていく







裕「綺麗な足なのに…」






裕「こんな怪我して…」






裕「痛いね…」





裕「痛かったよね…」







「玉森さ…ん…」







裕「もう….泣かないで…」





裕「ね？」






玉森さんの白い綺麗な指先が

私の頬を撫でる






ゆっくり…ゆっくり…

丁寧に涙を掬ってくれる






裕「もう…大丈夫だよ…」








裕「痛くないよ…」







裕「ね…」






…







…





そんな顔しないで

優しい顔



包み込むような…温かい目

指先から伝わる優しさ


全てを受け止めてくれる瞳







「どう…し…て？」






裕「ん…？」






「どうして、そんなに優しいの？」






「優しすぎ…」






裕「…笑…」






裕「誰にでも優しいわけじゃないよ…」







「……」







裕「大好きなAちゃんだから…」






裕「だから…」






裕「放って置けない…」







…






…






「玉森…さん…」






裕「だから…ゆーた…」






「……笑…」







「ゆーた…」






「ゆーたに…甘えていい？」







裕「？」






「ゆーたの、気持ちに甘えていい？」






裕「Aちゃん…」







「ゆーたに、あっためて欲しい…」





「ゆーたの側にいて…」






「あっためて欲しい…」







「今は…まだ、好きとか…わからないけど」







「ゆーたの側にいてもいい？」







…






…







「こんな私、だけど…」







…ぎゅ

玉森さんに抱きしめられた身体





裕「勿論！」







「ゆーた、皆んな見てるよ！」





「皆んな、見てる…」






裕「構わない、構わないよ…」






裕「すげー嬉しいから…」





裕「幸せだからッ！」

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