俺の彼女＊短いお話集＊34

風邪。&T ページ36

裕「何？」



裕「どうしたー」





裕ちゃん、うるさい

裕ちゃん、静かにして



頭に響く…





「風邪ひいちゃったみたい…」









裕「熱は？」






「……38.3…」






裕「わぉー」






だから、裕ちゃんうるさい


看病に来たの？


裕ちゃんいると悪化しそう






もう…帰って…









裕「俺、か弱いからうつっちゃいそうだなー」






だから

帰れば？








帰ればいいじゃん


裕ちゃん、もう…嫌い





嫌いになっちゃうからね








裕「そか、」







…今度は何？







裕「俺にうつせばいいよ…」



は？







裕「俺にうつせば、Aちゃん楽になる！」







…？




んと

正気ですか？







裕「ほら、よく言うじゃん…」







裕「人にうつすと病気は治る…って…」








「本気で言ってるの？」





冗談だったら

ぶん殴…るけど…








裕「本気に決まってるじゃん！」







裕「Aちゃんの苦しんでるトコ見たくない…」







裕「辛いの！」





相変わらず、うるさいけど

その目は真剣で

プンと膨らんだほっぺは

すっごく可愛い…









「でも…」




裕ちゃんが辛い思いするのも

やだな…







裕「だから…ちゅーしよ？」





…は…い？







裕「ちゅーしようよ…」







裕「そしたら、うつるでしょ？」





裕「Aちゃんの風邪、僕にうつるでしょ？」







「裕…ちゃ…ん…」







裕「ほら…」







ちゅ






冷たい裕ちゃんの唇…



気持ち…いい…






ちゅ






ちゅ






溶けちゃう…







裕「Aちゃんの唇熱いね…」






裕「熱、あるからだー」






裕「僕が、冷ましてあげるね…」






裕「ねー」






頬をホールドする力は強いのに

唇をツンと突き出してするキスは

凄く可愛い



子どもみたい…







裕「Aちゃんの風邪ちゃん

僕ちゃんに来なさいー」







裕「Aちゃんから、離れなさーい！」





裕ちゃんは

至って真面目…






真面目だから

ふふ

おかしくなる…








裕「何笑ってんの、Aちゃん…」





「んー？」









「裕ちゃんは、可愛いなって思って…」







裕「可愛い？」





裕「僕…いや、俺ッ…男の子だから

可愛いとか言わないでッ！」






「そうだったね…ごめん、ごめん…」



裕ちゃんは、かっこよくて

素敵で、可愛い…男、だよね…



終

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