小瓶 10 ページ26
ゆらゆら揺れるここは海の中？
温かい水の中…
微かに聞こえるざわめきは…海鳥？
それとも…魚たち？
遠くで聞こえる優しい声は…誰？
Aの声？
それとも…
他の誰か？
…
…
温かい水の中で、ゆらゆら揺れながら
向き合い…
足を絡ませ…
指を繋いだ…
俺と…A…
俺たち…やっぱり一緒だね…
ずっと…
一緒だよね…
…
…
トクン…
トクン…
トクン…
次第に大きくなる音と
俺たちを包む温かい水の流れ出す音
…？
俺たちは…何処へ行くの？
…
…
…
…
眩しい光…
二人に、差し込んだ光
ここは…どこ？
俺とAは、どこに行くの？
…
…
…
…
『ほら、見て…また…』
『ほんとだ…』
『いつも気がつくとそうなの…』
『手を繋ぎあってるの、あの二人…』
『ほんとだね…』
俺たちを見つめる温かい瞳
二人は…誰？
『俺たちの可愛い赤ちゃん…』
『空と…海…』
『二人は…』
『お腹の中でも、こうして手を繋いでたのかな…』
『それとも…』
『…もっと前から？』
『この世に生まれる前から…』
『一緒だったのかな…』
終
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作者名：トウコ
| 作成日時：2018年1月1日 18時
