惹かれちゃだめ 2 ページ5
太輔side
「太にぃ…」
「…そう言われたの、私…」
「お母さんに…」
「それ…って…」
「それ…」
「…ッ……」
初めて逢った時みたいに
細い身体を小さく丸めたA…
重ねた指先は震え…
涙は…
止まる事を知らずに
その頬を濡らし続けてる…
「私…」
「私…怖い…」
「怖いよ…」
「だって…」
「だって…私…」
「好きなの…太にぃの事…」
A…
俺も…俺だって好きだよ…
「太にぃだけじゃない…」
…?
「宏兄も…」
…?
宏兄…も?
「裕太も…」
…?
裕太も?
「好き、なの…」
「大好き…なの…」
A…
それ…って、もしかして…
「最初は…お兄ちゃんとして…」
「兄妹として、だと思ってた…」
「゛兄妹として゛…」
「…好きなんだ…って」
「スムージー作ってくれる宏兄…」
「クラスで私を助けてくれる裕太…」
「…そして…」
「毎朝…
私を、起こしてくれる太にぃ…」
「きっと…兄がいる女の子は、
皆こんな風にお兄ちゃん達が
゛好き゛なんだ…って思ってたの…」
…
…
「…でも…」
でも?
「私のは…違う…」
「違う…ってわかったの…」
…
…
太「…いつ…?」
太「…どうして…?」
…
…
…
「怒らない?太にぃ…」
「聞いても…怒らない?」
…
…
怒らないでいられるとは
到底、思えなかった。
およそ…予想はつくから…
どんな時に、
何をきっかけに、
俺らへの気持ちに気づいたか、
想像出来るから…
…
…
もしかしたら
俺の理性の箍は、弾け飛んでしまう
かもしれない…そう思った。
でも
今は…
とにかく
聞き出す方が先決…
Aの気持ち…
Aの戸惑いを…
聞いてやらなきゃ…いけないんだ。
…
…
太「話して…ごらん…」
太「絶対に…怒らないから…」
太「絶対…」
太「Aの事…責めないから…」
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作者名:トウコ | 作成日時:2017年9月14日 6時