雪のように白く…冷たく…儚く。&T 4

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裕太side

10時間を越える手術…






途中…

駆けつけた花屋の夫婦は


おかみさんの心身の疲労が

酷くて

一旦…自宅に戻った…








『Aちゃんの意識が戻ったら
必ず連絡して…』



そう言い残して…








Dr「手術は…成功しました…」








Dr「但し、まだ予断は出来ません…」






そのまま


集中治療室に運ばれたA…






沢山の管に

繋がれたA…








俺が

もっとしっかりしていれば…







俺が

あんな事しなければ…







全ては


俺の責任だ…









…





…







Dr「玉森さん…」








Dr「お腹の赤ちゃんですが…」








Dr「誠に…申し上げにくいのですが…」







裕「そう、ですか…」







Dr「最善は尽くしたんですが…」








裕「…仕方ありません…」








裕「彼女を…助けて頂いただけで
それだけで…十分です…」







裕「感謝…してます…」









Dr「………」







裕「先生…？」








Dr「赤ちゃんですが…」








裕「…？」









Dr「この先も…望めないかも知れません…」







裕「…！？」









Dr「…今回のけがの影響が…
今後の妊娠にも…恐らく…」








裕「…それって…彼女は
もう二度と妊娠出来ないって事ですか？」








Dr「100%では…ありません…」







Dr「ただ…恐らく…かなり厳しいと思います…」







…






…






…






Aが…もう二度と妊娠出来ない…







今朝…

お腹に手をあて…

幸せそうに微笑んでいたAが

目に浮かぶ…









あんなに

いとおしそうに


お腹の赤ちゃんを

思っていたのに…









お腹の赤ちゃんがいたからこそ

これまで



一人で…生きて来られたはずなのに…







そんな彼女が



お腹の赤ちゃんを失い…


なお


もう…二度と赤ちゃんを

授からないなんて…






俺は

君に…そのことを

どう、伝えたらいいのだろう…






彼女が

その現実に

耐えられるんだろうか…






辛い現実に…






集中治療室で

静かに眠る君…






君が

目覚めた時





君を待ち構えているのは

実は



今よりもっと辛い現実…






そうだ

あの事故を起こした時の俺も


辛い現実から逃げる為に



全てを

忘れてしまった…








A君も

全てを忘れて目覚めていいよ…





その方が


君が幸せなのなら…





俺の事も忘れてしまって…




構わない…

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