雪のように白く…冷たく…儚く。&T 4

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彼女side


『Aちゃん…』









「はい…」







『ご両親とは連絡取ってるのかい？』








諒君との一件があった時

一度だけ、ママには連絡した…




でも

ママは


パパが選んだ人だから間違いはないはず

そう言って…





彼の浮気も…




彼の暴…力も…



一時の気の迷いで


話し合えば何とかなる…



そう言って

聞く耳を持たなかった…









パパなんて

私の言い分より

部下である諒君の話を鵜呑みにして


全ては




他の男に興味を示した


Aお前が悪い…


そう言って、聞かなかった…








お腹に

裕太の赤ちゃんがいるなんて

分かったら…

もっと酷いことを言われるに違いない


だから






それ以来…

二人とは連絡を取ってない…









もう

私の中では…

縁を切った人…






親でもなければ…


子でもない…







…






…








『うちの子にならんか？』







「…？」






突然…

おとうさんから
出た言葉…





゛うちの子に……ならんか？゛







それ…って？








『ほんとは…』






『戸籍も入れて…名実共に…
それが…一番いいんだが…』







『一人娘さんだし…』






『そうも…いかんのやろな…』








…








…








「おとうさん…」








『せめて…うちで一緒に暮らさんかい？』







…？

おかみさん…


それ…って…









『もう…お腹も大きくなる…
いつまでも…力仕事ばっかり出来ないだろ？』








「………」









『うちの中にいて…掃除や洗濯、食事の用意をするのはどうかい？』






「でも…それでお給料貰うのは…」







「………心苦しいです…」








「今だって…たいして役にたってないのに…」







『役にたってない？』






「はい…」







『ほんとにそう思ってるのかい？』






…？



おかみさん…








『うちには…子どもがいないだろ…』







『なかなか出来なくてね…』







『ずっと…院長先生にお世話になってたんだ…』








『今の時代なら…人工受精とか何とか
色々方法があるんだろうけど…
何しろ、昔だったからな…』







『結局、私たちには
赤ちゃんは………授からなかった…』

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