雪のように白く…冷たく…儚く。&T 3

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裕太side



裕「初めまして…
お呼び立てして…申し訳ありません…」








彼と逢う日は

すぐにやって来た…







女将が連絡を取ってくれた翌日…夜…









彼の方が…

『俺の都合がつくなら…すぐにでも…』って


言って来たから。









俺がケガをした時

迷わず、助けに来てくれた…

若くて精悍な顔立ちの先生…





そう聞いていたのに






でも…


今日の彼は…想像と違った…








今日が

休診日だから？



だとしても…

初めての人に逢うのに…



無精髭…って。









体調でも…悪いのかな…









裕「今日は…先日の御礼を伝えたいと
思いまして…」









滝沢「………」









裕「…あの日…事故に逢った日の御礼を…」









滝沢「………」









裕「…あの…」







…





…









裕「おかげんでも…悪いんですか…？」









…









…









自分から

今日…逢いたい…って言ってきたくせに…



何で…こんなに不機嫌？








意味…不明なんだけど…






俺…何か気にさわることした？






俺…なんか失礼な事…言った？









裕「あの…」









…








…









滝沢「返して…」








…？








滝沢「Aを返して…」








…？



何…言って…









裕「あの…Aさん…って…」









滝沢「しらばっくれるな！！」







滝沢「お前が…連れて行ったんだろ？」







滝沢「お前が、Aを…」








裕「あの…なんの事…」









裕「…俺…分から……な…い…」








滝沢「俺が、何にも知らないと思ってるのか…」








…？








滝沢「お前とAのことを…」









滝沢「知らないと思って…バカにして…」









裕「そんなこと…な………」






いや

ここで否定したら

本当の事…分からないかも…




話…合わせた方が…

彼女の事が分かるかも…








滝沢「頼むから…」







滝沢「Aを返して…」








裕「そう言われても…」









滝沢「君とAは終わったんじゃないの？」







裕「……」







滝沢「あの日…彼女、泣いてた…」







裕「あの日…って…」








滝沢「二週間前…
お前の入院した病院に彼女が行った帰り…」





滝沢「泣いてた…」




滝沢「A…泣いて…」







滝沢「そのまま…死のうとしたんだぞ！」





滝沢「お前のせいだろ！？」

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