俺の彼女＊短いお話集＊18

早く…来て。T＊31 ページ25

裕「…A…」






真っ暗な教室の片隅…






もう

何時間も前に




先生の手を振りほどいて



先生を



置き去りにした場所に







一人…




小さく佇む先生…







まるで




捨てられた仔猫みたいに…









「何…」






「…してるの？」







こんな所で…



いつまでも…






一人で…






もう



夜になっちゃうよ…







裕「A…待ってた…」








「私…を？」





「どうして？」







裕「どうして？」







「だって…そうでしょ…」






「先生は…」





私を



裏切ったじゃない…







先生は



他の人が…好きなんでしょ？









裕「何で…怒るの？」








「…？」





裕「何でさっきから…怒ってるの？」








「……？」








裕「俺…何か…した？」








「…それ…」






「本気で言ってるの？」







「私の事…バカにしてるの？」







裕「何で…」






裕「そんな訳ないじゃん…」








「先生…」







裕「ん？」






どうして…


言い訳…しないの？



謝らないの？






どうして


平然としてるの？






何も



悪い事…してないみたいに…








私を


見つめるの？









「先生は…」







「水上先輩を…好きなんでしょ…」







「私…」








「知ってるよ…」








先生だって



分かってるでしょ？







私に


バレたの知ってるよね？








「水上先輩と…シ…てた…でしょ…」









「水上先輩が…好きなんでしょ？」







裕「ん…」







裕「水上…好きだよ…」







…！



「じゃ…」






「じゃ…どうして私に…」








「私にも…好きって言うの!?」





「私の事…抱…くの？」









「水上先輩が…一番なんでしょ！！」








「私は…遊びなんでしょ！！」







「私の事…」







「バカにして…」







「バカにしないで…！！」








「大嫌いッ…！！」








…







…






…








裕「バカになんか…してないよ…」







裕「バカになんかしてない…」






「してるもん!!」







「二…股…なんて…最低!!」







「大嫌いッ…！」







裕「…ッ…」







裕「何で…そんな酷い事…言うの…」








…！？







裕「何で…」







裕「大好きなのに…Aの事…」





裕「大好きなのに…」





「嘘…！」









裕「嘘じゃないよ…」

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