俺の彼女＊短いお話集＊17

君は誰の。after story byT ページ43

裕太side

「ね？」



俺の手を包んだ彼女の手が


彼女の胸へ…








「私を…満たして…」






「…さっき…みたいに…」







裕「…」






「ね？」






(笑)




「夕飯…食べよ…一緒に」








「私…」




「料理は上手いんだよ…」








「それから…」








「一緒に…」






「お風呂…入ろ？」







風呂…



か


そうだ…


俺は…



一人じゃ…




風呂にも…入れない…







実家に帰ったら

親にでも手伝って貰うつもりだったけど


でもな…



親だって…



歳だしな…








「今日は…あるもので…いい？」





エプロンを着けると



テキパキと


野菜を切り始めたAさん…









「今日は…」





「中華丼…とか…どう？」







…！








君は…


覚えてたんだ…






そんな、事まで…








「食べたかったんでしょ？」








(笑)







入院中…

やっと、普通食が食べれるようになって…


でも


やっぱり…あの病院食の薄味が無理で…





一度だけ


砂里に中華丼をおねだりした…





゛作って来て゛って


お願いしたんだ…







でも



砂里は゛ダメ…゛って…





゛入院中はダメ…゛って言って





結局…






食べれなかった…









「作ったげるね…」







「美味しいよ…(笑)」







…






…





何て


屈託のない笑顔…









君に



甘えても…




いいかな？









今…


ちょっとだけ…






砂里がいなくなった寂しさを




君で埋めて





いいかな…？









「……？」








裕「中華丼…食べたい…」








「ほんと!?」







裕「…うん…」







「ほんとに…？」






裕「ほんとに…」








裕「食べたい…」








裕「中華丼…」







「嬉し…い…」







裕「明日は…」







「明日…？」








裕「明日は…何がいいかな…」







「何でも…何でもいいよ…」








裕「じゃ…」






裕「鍋にしよ…」






「鍋？」







裕「鍋は…独り身には寂しいでしょ？」







「…(笑)…」






裕「だから…」







裕「明日は…水炊き…♪」







「ん、」







裕「やったね〜」







裕「でもさ…」







裕「明日って…」







裕「泊まりじゃないの？」








「……！」








裕「まさかの…」







「……」







裕「夜勤？」






「違うよ〜だ…(笑)」



裕「…(笑)…」

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