俺の彼女＊短いお話集＊17

貴女の胸に抱かれて F 56 ページ4

太輔side

「ん…」







太「もう…これからは

ずっと…一緒…だよ…」






太「どんな時も…」







「……」








太「A？」







「でも…」







太「…でも…」






「太ちゃん…仕事…」








太「…大丈夫…」






太「大丈夫だよ…」






「でも…」







太「二人の…夢…だろ…？」







「……？」






太「俺の…デビューは…」







太「二人の…夢だろ？」






「…ん、」







太「だから…俺を支えて…」






太「俺も…」








太「俺も…Aを支えるから…」








太「…ね？」






「……」






太「A？」






「ん…」








太「約束…」






「…？」






握りしめた…その手を開いて


細い…小指を


絡める…







こんなに

痩せて…




その動揺を

読まれないように…




わざと


明るく…



大きく…




゛指切りげんまん゛をした…







太「指切りげんまん…」






太「ずっと…一緒だよ…」







太「A…」






「ん…」






「指切りげんまん…」






やっと


緩んだ頬…







太「もう…お休み…」





太「側にいるから…」









太「だから…」






太「お休み…」





「…ん…」







「太ちゃん…」







太「…？」






「キス…して…」






太「キス？」






「夢…みたい…なんだもん…」






太「信じらんないの？(笑)」





「…ん…」







珍しく…



甘えんぼ…だな…





可愛い…







でも


マスク…




酸素マスク…


外せない…よ…







「太ちゃん…？」







太「ん…」






「ダメ…？」






太「…いいよ…」






太「約束…の…キスあげる…」






太「あげるね…」








「やっ…た…(笑)」





太「…キスしたら…」





太「休むんだよ…」






太「ね？」






「ん…」






太「目…閉じて…」






「……」







大好き…だよ…



A…



やっと



俺んとこに…帰って来た人…





愛しい…人…







太「愛してる…」






太「愛してるよ…」






チュッ…






「…！？」






「太ちゃん…！」






パッツンになった前髪を上げて

可愛いオデコに


落としたキス…






太「マスク…取れたら…」






太「キス…あげる…」






太「だから…」





太「早く…元気になって…」







太「ね…」

貴女の胸に抱かれて F 57→←貴女の胸に抱かれて F 55

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す