俺の彼女＊短いお話集＊17

君は誰の。after story byT ページ24

Aside


砂里「驚いた…でしょ？A…さん…」





「……」






砂里「゛最低…゛って…思ってる？」






「………」







砂里「不倫…だったんだ…って」






「………」








砂里「だから…」







砂里「罰が当たったんだ…って…」








砂里「何の…罪もない…」







砂里「お腹の…赤ちゃんに…」







…





…






…






砂里「そう…思われても…仕方ない…」






砂里「仕方ないよね…」






砂里「全部…私が…悪いの…」








砂里「一番…大切なのは…

ずっと…太ちゃんだった…

二人が知り合った…彼が、高校生の頃から…」






砂里「ずっと…ずっと…」







砂里「でも…」






砂里「私を…想ってくれる裕太を…

裕太を…断ち切る事が出来なくて…」








砂里「…ケガをしてしまった裕太を…

放っておくことが出来なくて…」









砂里「私は…」







砂里「…私は…結局…二人を傷つけたの…」








砂里「お願い…」







「…？」







砂里「私を…責めて？」







「………？」








砂里「あんなに優しい…夫…太ちゃんを…

あんなに純粋な裕太を…そして…

お腹の中にいた…

大切な命を…傷つけた私を…責めて…」







砂里「Aさん…」








砂里「お願い…」







砂里「私を…罵って…」





砂里「…お願い…」




＊

あの日…

病院の中庭で倒れて…そのまま…

この病院に入院した砂里さんは

太輔さんが…帰った後…

私を呼んでそう…話したの…






泣くこともなく…

ただ…

淡々と…


まるで

これから先…自分がどうなるのか…

知ってるみたいに…








空を見上げながら…


三日月を…見上げながら…


その光に…吸い込まれてしまいそうなくらい

静かに…。









砂里「罵って…くれないの？」







砂里「私は…」





砂里「裕太に…抱かれたのに…」





「……！？」






砂里「そんなはず…ない？」







砂里「裕太は…出来ない…って？」







砂里「繋がらなくても…」






砂里「愛し合う事は出来るわ…」







…！






「不潔…」




「赤ちゃん…いるのに…最低…」





「貴女は…汚い…」








砂里「そう…」




砂里「もっと…言って…」








「最低…」




「最悪な女…」






「貴女なんか…」






「彼の前から…」






「いなくなればいい…」






「消えちゃえばいいのよ！」

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