俺の彼女＊短いお話集＊17

貴女の胸に抱かれて F 72 《last》 ページ20

太輔side



太「大丈夫？」







「ん、」









太「部屋…借りようかな…って

思ったんだけど…やっぱり…」









「ん…(笑)…」








太「ここに帰って来たかった…」








「私…も…」









太「俺達の…部屋に…」









「太ちゃん…、あ…れ？」









朝から


Aの為に…用意した…








花を飾って…


風船…リボン…




そして


゛退院おめでとう…゛のポップ…








それから








「この匂い…」







太「ビーフシチュー♪」








太「あの日…食べそびれたから…」









「太ちゃん…」






「ありがと…」








「あの日…」






「泣きながら…食べたの…」








「泣きながら…」









太「A…」









「それから…一人でこの部屋を出て…」







「一人で…病院に…」






ッ…








太「A…辛かったね…」








「ん…」









「でも…もう…大丈夫…」









「大丈夫…」









俺の肩に凭れるA…






太「座って…」






あの日…

Aを思って眠ったソファ…






そこに


二人で肩を寄せ会って座る…









二人でいるって

こんなに暖かいんだ…








「太ちゃん…」







「ありがと…」









「ずっと…支えてくれて…」









太「俺は…何も…」








太「俺は…ただ…側にいただけ…」








「太ちゃんがいてくれたから…

私は…頑張れたの…二人の未来の為に…」









太「二人の未来の為に…」









「愛してる…太ちゃん…」









太「俺も…愛してる…A…を…」









太「愛してるよ…」









太「これから…ずっと一緒だ…」









「ん…」







太「俺さ…もうすぐデビュー出来そうなんだ」








「ほんと！？」





太「多分…」





太「今度…

写真集出るし…単独ライブもある…」







「おめでとう…！」








太「Aのお陰だよ…」







太「Aがいてくれたから…」









太「これから…夢を叶えよう…」








太「二人で…」








太「二人の夢を…」






「………」









太「デビューして…結婚して…

家族を作ろう…」







「ん…」







太「俺と…ずっと一緒にいてくれる？」







「……」






太「…A？」








「はい…」






「ずっと…」






「一緒に…生きていきたいです…」





終

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