俺の彼女＊短いお話集＊17

貴女の胸に抱かれて F 70 ページ18

太輔side


「太…ちゃ…」





「や…」






「やだ…」








「もう…やだ…」








朝から…

吐き続けて…





泣き続けて…





もう


吐くものも…



涙もなくなって…






ただ


虚ろな目で…




空を見上げてる…









「太…ちゃ…」






「た…い…」








少しでも


眠れればいいのに…





瞼を閉じたと思うと…すぐに


また

目を覚ます…







寝返りを打つ度に…

枕に落ちる髪…






げっそり…こけた頬…





たった二日の治療で

こんなにも…体力を失うんだ…





先生が言ってた…


想像を絶する…苦しみ…







「まだ？」








太「ん？」







「まだ…今日は終わらないの…？」








太「……」








「いつになったら…終わるの？」







「今日と…いう日は…」







太「あと…少し…あと少しだよ…」








「長い…」







「一日が…凄く…」






「長い…」







「ずっと…」







「このまま…かな…」









太「もう少しだよ…」







太「ね？」







「………」







太「？」







「嘘つき…！！」








「太ちゃんの嘘つき！！！」








「あと少し…なんて…」








「嘘…！」








また、

泣き出したA…




ぐしゃぐしゃの顔…




苦痛に歪む顔…






「明日も…明後日も…ずっと…ずっと…」







「ずっとだよ…！！」








「ずっと…このまま…ッ！！！」







「もう…嫌！！！」








「嫌！！」







「もう…やだ…っ！」







「嫌！！」







「もう…嫌ぁ…！！」






残り少ない体力を



全ての怒りに任せて



叫び…





泣くA…









「いや…っ！！」







「やぁ！！」








「太ちゃん、やだッ！！」








A…








太「A…！」






その身体は


力なく…俺に掴まる…







俺の腕の中に…




すっぽり…




俺の腕の中に収まる…






太「A辛いね…」







太「苦しいよね…」








太「ごめん…分かってやれなくて…」







太「代わってやれなくて…」









太「A…ごめん…」







太「ごめんね…」








太「そして…」







太「ありがと…」






…？






「太ちゃん…？」








太「耐えてくれて…」







太「俺の為に…

俺と…Aの未来の為に…」








太「耐えてくれて…ありがと…」





A…

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