俺の彼女＊短いお話集＊17

貴女の胸に抱かれて F 66 ページ14

彼女side


そして


運悪く…


２回目の治療が始まって二日目は

太ちゃんが

丸一日OFFだった…








太「明日は…朝から来るから…」






「……」






そう言って


オデコにキスして…

太ちゃんは帰って行った…









前回の治療の時は…

一人だった…




辛くても



苦しくても



それを受け止めてくれるのは

長瀬先生や看護師さんだった…





私が

普段…理性で隠している


ワガママも

全部…全部…受け止めてくれた…









治療を休んでいた時に忘れていた




その辛さと苦しみは



治療開始一日目は

まだ

耐えられた…







でも

翌日は



もう…太ちゃんが来る前から


ベットで


横になるのが無理な程…

苦しかった…









「先生…」






「長瀬…先生…」








長瀬「…？」







「太ちゃん…入れないで…」







長瀬「…？」





「お願い…」







長瀬「辛い…もんな…」








「お願い…」






「こんな私…見せたくない…」






「こんな…」






「私…」






ずっと…


吐いてる…





吐くものもなくなって…


出るのは



胃液だけ…







涙が…


溢れて…







頭が…痛くて…




掻きむしると…


束になって抜ける髪…







意識は


朦朧としてるのに



声をかけてくれる


全ての人の言動がイライラして

八つ当たりばかり…





出来ることなら



この点滴も


引きちぎってしまいたい…






でも…それさえも


指先に力が入らなくて



儘ならない…







「先生…」





「お願い…」








…





…







長瀬「ダメ…だ…」








「どうして…？」









長瀬「彼と…」







長瀬「生きていくんだろ？」







長瀬「これから先…ずっと…」









長瀬「違うのか？」








「………」








長瀬「生きるんだろ？」





「……」






長瀬「その為に…」







長瀬「戦ってるんだろ？」







「戦う…？」







長瀬「そうだ…」








長瀬「僕たち…だって…協力してる…」









長瀬「彼も…一緒だ…」









「太ちゃん…も？」









長瀬「彼も…一緒に…」






長瀬「戦う…んだ…」









長瀬「現実から…逃げちゃダメ…だ…」








長瀬「彼なら…」







長瀬「一緒に戦ってくれる…」









長瀬「戦ってくれるよ…」








長瀬「分かるだろ？」






長瀬「君の…大好き人なんだから…」

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