林檎×さくらんぼ another story

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陸side



「ど…して…」







シャワーの音で


俺の気配に全く気づかなかった空が



慌てて


身体を隠す…








「陸…？」







俺の…顔も…身体も見ることが出来ずに


泣きそうな顔で


下を向いてる…









陸「ごめ…」






陸「や…だよね？」







ぽたっ…







ぽたっ…






落ちる滴は



涙じゃ…ないよね？








陸「ごめん…」








陸「いいよ…」








陸「温まったら…出て…いいよ…」







こんな可愛い…


こんな不安げな空に




何か…出来る訳がない…







嫌われるとか



そうゆう事じゃなくて…






俺には




無理なんだ…って…。









陸「ほんとにごめん…」







陸「こんな事になって…」








陸「お風呂入ったら…帰ろ…」







陸「ね？」







立ち尽くしたままの


空の肩…




その肩に…触れていいのかどうか

迷ったけど…






早く…


この状況から

助けてあげたくて




肩を押すようにして


湯船に促した…








…








…







…









「嫌…」






陸「…？」








「海が…行け…って…言ったんでしょ？」







陸「…あ…」







「海が……」







陸「あ、いや…」





陸「海は…時間なくなるから…じゃんじゃん

入ろうぜ…って…ただ…それだけ…」








「嘘…」







滴り落ちる滴…





長い髪から…





滴は


涙じゃなかった…








真っ直ぐ…



俺を捉えた瞳…









「そんなの嘘…」








陸「…いや…」








「嘘に…決まってる…」






陸「空…」








「だって…見て…」







陸「…？」





…！







海…





「海…見てるよ…」







「私…達のこと…」






「あんなに…」







ベットサイドに腰かけて


真っ直ぐに


バスルームに向けられた視線…







いつの間にか

ビデオも…消えてる…









陸「海…の…やつ…」






…








…








…







「陸…」







…！？








「身体…洗ってあげる…」







！？







「私が…洗ってあげる…」







陸「何…言って…」







「身体の…隅々まで…」







「全部…」






「洗ってあげる…」







…！







…！！







胸と




身体の中心を隠していた手が



ソコから離れて…






一度…小さく屈むと






その手に…



白い泡だらけのスポンジを持って





空は振り向いた…

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