俺の彼女＊短いお話集＊9

無花果T 41 ページ43

裕太side



どうしよ…かな…




もう…



止めよっかな…





俺の…身体は…ヤバいけど…



でも…


A…可哀想…だよな…






ベットに横たわる彼女は

ホントにちっちゃくて…


泣いて…丸く縮こまってるから…

赤ちゃんみたい…






お母さんのお腹の中にいる


赤ちゃん…みたい…









触れちゃいけない…


純真無垢な…赤ちゃん…








…







…






裕「A…？」



突っ伏したまま

微動だにしない…







ど…したの？




泣いてるの…？








やっぱり…無理だよな…







うん…





今日は…もう…止めよう…









もう…いい…







今日は…もう…止めるから

泣かなくて…大丈夫だよ…








裕「A…

もう…泣かないで…」








裕「もう…止めるから…」









裕「ね？」







いくら言っても…


顔を上げようとしない…






裕「今日は…おしまい…

一緒に…何か食べよう？」







「……」








裕「A？」







…







…








「匂いがする…」







裕「…？」






「…甘い…匂い…」







裕「…？」



甘い…匂い…って何？






柔軟剤の匂いかな…



でも…


柔軟剤は…甘い系じゃないし…








…





…






「あの人の…匂い？」






あの人？








あの人って…誰？









「せんせの彼女の…匂い？」








は？







彼女…って…どういう事…？







何で…知ってるの？









裕「…？」







「先生の事…ずっと見てたの…」







「この部屋も…」




「先生の事…つけて分かったの…」









裕「…つけて…って…」







「ストーカーみたいでしょ…」








裕「……」





…






…







「嫌いになった？」






「怖く…なった？」








顔も上げずに…

下を向いたまま話し始めたA…






「私…ね…ずっと…先生の事…つけてたの…」






「だから…

知ってるの…先生に彼女がいること…」









裕「……」








「背が高くて…スタイルのいい…綺麗な人…」






「先生の彼女…」









「時々、ここに泊まってく彼女…」





「朝まで…一緒にいる人…」









…







…







裕「…そんな事まで…知って…」





…





…






「ほんとは…」



「言わないつもりだったの…そんな事…」








「そんな事どうでもいいって思ってたの…」

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