俺の彼女＊短いお話集＊8

粉雪T 8 ページ7

裕「A？」






…








…








「死なせてくれないなら離婚して…」







裕「何…言って…」









「裕太に…幸せになって欲しいの…」







「こんな私を早く忘れて…」







「私の事も…私との思い出も全部…全部…

忘れて…幸せになって欲しいの…」









「…きっと…」





「これから…私は…私でいられなくなる…」







「…痛みや…」






「薬で髪がなくなって…」






「痩せて…」






「どうして自分だけ…って…貴方に

嫌な事を言うかもしれない…」







「裕太が…」







「好きになってくれた私じゃなくなる…」







「そんな姿…見せたくないの…」









「…そんな…惨めな…」







「そんな…哀れな姿…」







「見られなくない…ッ…」







ポロ…ポロ…と

綺麗なその瞳から…溢れる涙…






泣きじゃくる訳でもなく


ただ…冷静に…



ただ…悲しく…


こぼれ落ちる涙…








…







…






…






あの日…


病院の帰り道に寄ったレストランで

泣いて以来の涙…









「赤ちゃんだって…」







「元気に産めるか…分からない…」






「産まれたとしても…」








…







…ッ…








「側に…」






「側に…いてあげられるか…分からない…」








「ううん…ッ…」








「…あ…ッ…ッ…」








「きっと…ッ…」







「側に…いてあげられない…ッ…」








「…あ…ッ…」







「いてあげられない…ッ…」







…







…







ッ…









「だって…ッ…」







「…私は…ッ…」






「私は…ッ…」







…ッ…








…ん、ッ…く…









「死ぬ…んだもの…」








「死んじゃうんだもん…ッ…」








「…死んで…ッ…」








「あ…ッ…ッ…！」







「裕…ッ…！」








「どうして…ッ…！？」





「どうして…こうなっちゃったの…？」








「私…何も…ッ…」








「…ッ…」







「何も…悪い事してない…ッ…！」








「…裕…ッ…」








「してない…のに…ッ…！」








…！








…！！









「ッ…っく…ッ…」




「あ…ッ…」





…







…







俺は…何を見ていたんだろう…





こんなにまで…


彼女は苦しんでいたのに…



ずっと…ずっと…


一人で…



何も…言わずに…一人で…








A…





Aッ…！

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