俺の彼女＊短いお話集＊8

さくらんぼK 7 ページ34

彼女side



誰でも…いいと思ってた…




結婚相手なんて…




ただ…お兄ちゃんに言われるまま


カモフラージュとして

゛普通゛の…愛…を演じるだけ…だから…。








そんな時…

みっくんに再会したの…







小さい時からずっと…

私を見ていてくれた人…



幼稚園の時も…小学校の時も…

中学生…も…




いつも…彼からの視線を感じてた…








この人なら


心がなくても…この身体を許せるかもしれない






この人なら


許した身体に…

心がないことを隠せるかもしれない…




そう…思ったの…。







…







…









宏「A…？」








宏「何…見てるの…？」









「月…を…」








「月が…凄く…綺麗なの…」









宏「…？」







空には…真ん丸い…月…




青白く…光る月…









「綺麗…でしょ？」









宏「…ん…」









宏「でも…」









「…？」









宏「俺には…もっと綺麗なものが見えるよ…」








「……？」







宏「わかってるでしょ？」









「……」









宏「…A…」




貴方に肩を掴まれて…


力の向きに導かれると…

真っ直ぐに見つめる貴方の瞳…









宏「…A…」







名前を呼ばれる度に…

お兄ちゃんより少し高いこの声に戸惑う…








でも…


受け入れなきゃ…


彼を…受け入れなきゃ…いけない…









「みっくん…」








宏「……」








宏「やっと…俺を見てくれた…」









宏「俺の…目を…」








「…ごめ…」







「私…」








宏「いいんだ…」







宏「全然…OK…」







宏「Aのそ、ゆとこ好きだから…」







「…あ…」









宏「…恥ずかしがりやの…トコ…」








「…//｣








宏「ほら…すぐそうやって下を向く…」






「ごめ…んなさい…」









宏「…謝らないで…

そういうAが好きって言ったでしょ？」








「……///」









宏「…好き…なんだ…」








「みっくん…」








宏「…だから…」





宏「触れたいと…思う…」








宏「触れてみたいと思うんだ…」








「……」








宏「ダメ…かな…」









「……」








宏「A…？」









「ダメ…じゃないよ…みっくん…」








宏「…いい…の？」









「…ん…」








「私…に…触れて…下さい…」

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