揺れる想い｡F&T

朝日。3 ページ42

「泣かないで…」


「…私が…守ってあげる…」







「貴方を…」





あの日…


初めて…二人で逢った公園で…



俺に言ってくれた言葉…








あの時…と…同じ…。









「A…」







俺より…年下で…



泣き虫で…




こんなに…細くて華奢なのに…







俺…を…守ってくれるの？








太「…ほんとに…？」









太「…俺…を…守ってくれるの？」






「…ん…」









太「約束…してくれる？」







「…ん…」








太「…A…」






「…太輔…」







…！








Prrr…







Prrr…








「電話…」







思わず…ため息が出そうになるのを…

我慢して…




スマホに手を伸ばす…。









太「…はい…」








太「…起きてるよ…」








太「分かってる…分かってる…って…」






太「…じゃ…」








…









…







「お仕事…？」






太「…あぁ…」








…









…








太「…A…」






「大丈夫だよ…お仕事…行って…」






太「…ちが…」








「…ん…？」









太「帰らないで…」






「…太輔…？」









太「…ここに…いて欲しい…」






「………」









太「…離れたくないんだ…」








「でも…」









太「…今日は…夕方には仕事終わるんだ…


だから…待ってて欲しい…」









「…太輔…」









太「俺を守ってくれるんじゃないの…？

あれは…嘘なの…？」







「…それは…」








太「…離れたくない…」









「…一度…家に帰っちゃ…ダメ？」







「あの…着替え…とか…」









太「…あ…」









「…必ず…夕方には帰るから…」






「ダメ…？」








…









…









太「…い…よ…」






太「…必ず…帰ってきてくれるなら…」







太「約束…してくれるなら…」









…









…









…









「うん…約束…する…」








太「…や…った…！」









「…私で…良ければ…」







太「…？」



「夕御飯…作っとくから…一緒に…食べよ…」








…









太「…行ってきます…」







太「キス…は…？


行ってきます、の…キス…」









「…行って…らっしゃい…」









ん…ッ…






太「…行ってきます…」





ニコニコ顔で…太輔が出ていったのは

30分後だった。

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