俺の彼女＊短いお話集＊

＊理想の彼女＊ ページ12

太輔side

「ごちそうさまでした〜♪」



「美味しかったですぅ♪」





口々に…

感謝の言葉を並べて…帰っていく後輩達…









「また…来てくださいね…」




そして…

優しく送り出す…俺の彼女…。







…








…








太「…疲れたでしょ…」









「…ううん…」









「大丈夫…」









自慢の彼女…


スタイルが良くて…綺麗で…

優しくて…

良く気が利く…





一度だけ…たまたま後輩を連れてきたら

噂が噂を呼んで…


「俺も誘ってくださいよ〜」


って後輩が…続出で…(笑)






実は…


Aを自慢したかったりする俺は…


しぶしぶを装おって…


こうやってたまに後輩を家に呼ぶ…







太「…ごめん…」




でも…多分…Aは疲れてる…





いつも…大丈夫…って笑うけど…








今朝も早く起きて下ごしらえしてたし


今日も…


仕事から帰ってきてから忙しそうだった…。









太「…俺が洗い物するから…

先に…お風呂入りなよ…」








「……」





ふわっ…と笑って…

食器を運び始めるA…









「一緒に…やろ…」








Aが洗って…



俺が…すすぐ…








たくしあげた袖口から見える細い腕さえ

艶ぽくて…

泡まみれのその腕を…

シンクの中で捕まえる…









「太輔…？」






「まだ…洗い物…」








掴んだ手を…

いやらしくなで回し…


そして…指を絡める…









「A…」








「…ん…？」







振り向いたAの唇を

下からすくい上げる…









太「今日…ありがと…」







…ッ…








太「みんな…すげ…喜んでた…」









…ん、ッ…









太「すげ…嬉し…」









…









「良かった…」









…チユッ…









太「俺の…自慢の…彼女…」









…ッ…









太「ご褒美…あげなきゃ…」








…ッ…








太「何が…い…？」







分かってるのに…


わざと聞くんだ…








みんなが…理想の彼女…って

羨ましがる…




清楚で…



家庭的な…




Aの口から…








その…やらしい…言葉を聞きたくて…








もう一度聞くんだ…









太「…何が…欲しい…？」









「……」









太「ご褒美…いらないの…？」









「…欲しい…よ…」









太「…何が？」








「太輔…が…





太輔の…身体が…欲しい…」

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