2番目。II

63 ページ26

裕太side

本当に…

日向への気持ちが、母親としての日向への憧憬なのか



あんな風に、帰してしまったけど
本当はまだ、彼女のこと好きなんじゃないか、って





確かめてみたかったんだ







.






.






.






でもさ

やっぱり…
日向への気持ちは、ただの憧憬だったみたい




Aを愛してみて、分かった






.






.









Aとの付き合いが、長くなって

ほんの少し飽きて来て…

Aとは、全然違うタイプの、しかも他の男の物、お母さんである日向に興味を持っただけだった







それが、さ

たった今、確かに分かったよ






ずっと側にいて、当たり前に俺を愛してくれて

どこにも行けず、記念日にも一緒にいられなくても

何一つ文句を言わないA





ただ、純粋に俺を愛してくれるA





2番目に愛してる、それでもいいだろ？
なんて、馬鹿げた事を言い出す俺を、黙って受け入れてくれるA




そんな大切な存在の有り難さを

俺は、当たり前すぎて忘れてたんだ







.






.





.





A




初めて愛し合った日を思い出す

あの日も君は泣いてた






まだ、俺の彼女になる事が不安で



「…いつか、貴方が他の人を愛して…
私の気持ちだけが、取り残されるのが怖い…」



そう言って、泣いたね





まだ、付き合い始めたばかりなのに…
もう、別れる時の事を考えてたね







あの時…

俺、何って言った？


ねぇ、覚えてる？









Aを愛さなくなることなんてないよ

もし、他に好きな人が出来たとしても

Aへの愛が変わることはない

ただ、順番が変わるだけだよ






.





.






そう言ったの、覚えてる？

64→←62 （episode C）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す