2番目。II

39 ページ1

「….！」



やっと、重なってた指先に、君が気づいて
その指先を守るように丸めた







逃がさない





逃がさないよ





きゅ、逃げようとした指先を掴んだ







裕「今だけ…このまま…」








裕「お願い…今だけ、ちょっとだけ…」







裕「温かさを…感じさせて…」








大きく見開かれた瞳は、不安で揺れてる







裕「何もしないから…」







裕「何も求めないから…」








裕「あと、少し…」







裕「少しだけ…」







裕「俺に、普通の幸せを感じさせて…」






演技のはずだったのに

感情移入し過ぎたのか、或いは

今、自分が言ってる事が、俺の深層心理だったのか

涙が出そうになる






元々….涙脆いだ

感情が昂ぶると、涙目になりやすい







でも、泣くのはかっこ悪すぎる

それは…マイナス効果だ







堪えろ

ギリギリまで、耐えろ







泣くな、俺





.






.






.







.







ギリギリまで、耐えろ






.






.






「私に、出来ることがある？」








え…




思いがけない言葉だった







いや、思いがけない言葉で、、、

俺が、一番欲しかった言葉






日向を手に入れる為に、誘導したかった言葉だった







勝った…




ふ…

笑い出しそうになるのを、必死に堪えた




これで、日向は俺のものになる








もう、日向、君は

俺のものだ

40→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す