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「……」
喉が、カラカラに渇いて
声が出なかった
何か、言い返さなきゃ
私は、何も悪くない、そう思うのに
声が出なかった
裕太が、怖い
初めてそう思った
仲間といる時は、気分屋で不機嫌になることもある
とは聞いてたけど
元々、温厚な性格の上に
私には、いつもいつも優しかった
私のわがままも笑って許してくれた
「Aには、敵わないや」
そう、笑いながら…
でも…
今日の貴方は違う
それは…
本当に私を失いたくないから？
それとも
何を言っても許される程、今は私を愛してないから？
ううん、違う…ね
理由は、簡単
プライド
私の言葉は、貴方を傷つけた
私如きが、貴方の言動に意を唱えたことへの怒りだよね
.
.
.
.
貴方には敵わない
そう、思った瞬間
頬に温かい一筋を感じた
泣くまい、と思ってたのに
負けない、と思ってたのに
気がつくと、
溢れ始めた涙は、留めなく頬を伝い続けた
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作者名：トウコ
| 作成日時：2020年6月21日 6時
