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「…別れたいの」
自分が、思っていた事とは違う言葉が、口をついた
裕「え、」
ベッドサイドでタバコを燻らせていた裕太が
振り向いた
ふわり、香るはずのない煙が、鼻先を擽ると
遠い昔の記憶が蘇る
付き合い始めた頃は、普通の煙草だった
2人狂おしいほどに愛し合ったその後に、
ベッドサイドに腰掛けて、煙草を燻らす貴方の背中が
大好きだった
貴方は、決まって
「髪に匂いついちゃうね、」って言ったけど
貴方に愛された身体に、貴方の甘い香水と貴方の汗と
そして、オトコの香りを纏い、最後に煙草の煙に
包まれる…
それは、確かに私は裕太に愛されてる、そう思える
幸せだった時間だった
けれど…今は
私を包むその香りはない
「別れたいの」
今度は、頭と言葉が一致した
今、私は…
確かに貴方との関係を終わらせたいと思ってる
「もう….おしまい」
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作者名：トウコ
| 作成日時：2020年6月21日 6時
