幻夢（仮題）短編集 3 (ページ43)

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あいすくりーむ　83 ページ43

今日は、夕方には仕事が終わるはずだったのに
俺とガヤは、事務所に呼ばれた

ガヤなら、分かる
昨日のことだろ？

でも、俺は何で？
何もしてない

お待ちも気を付けろ、って注意しとく感じ？

もし、そうなら
この機会に、チーフマネージャーには話しとくか

その方が、何かとうまくいく

.

.

『写真撮られた』

チーフが、デスクの上に広げた沢山の写真

？

何、これ

凄い数

けど、
その場で話された事、写された現実は
想像を遥かに超えたスキャンダルだった

まず、昨日…
ガヤと一緒のA

あいすくりーむを買って車で移動して、
そして、例の服屋へ。
泣きながら、走り出すAの写真の数々

その後は、俺との写真
泣いてるAを車で拾い、マンションへ帰り
地下駐車場で、キスしたとこまで撮られてる

そして、最悪だったのは
今日のAを撮られてる所だ

一人でマンションのゴミ捨て場に入った写真や
裏口から出ようとしたA

同棲してることまでバレてる

『説明してくれる？
昨日、ガヤは彼女の事を、自分の彼女だと言った。
そして、もう別れるつもりだ、と。
だから、事務所も不問とした、それなのに…
何で、玉といるの？』

太「それは…」

ガヤは、チーフマネージャーに俺に彼女がいることは
話してない

俺が、まだ隠してるからだ

裕「俺が、説明するよ」

『玉が？』

裕「彼女は、俺の付き合ってる人だ。」

『玉と？……それが、何でガヤと？』

裕「俺にプレゼントしたくて、ガヤに相談したらしい。で、二人で出掛けた。」

流石、切れ物敏腕マネージャー
ポイントだけを、ポンポン付いてくる

『何で、泣いてんの？』

泣いてる写真が何枚もある
こういうのは、マスコミの大好物だ

裕「それは…」

ガヤが、しつこかったからなんだけど

俺の口からは言いにくいな

.

.

太「それはさ、俺が店の中で彼女の事を
怒ったから、泣き出したんだ」

『怒った？ガヤが？何で？』

太「まぁ、それは一般的なマナーを、」

本当は、しつこく服を着ろ、って言ったんだよな

でも、今はいいか

『じゃあ、この子は玉の彼女なんだな？』

裕「うん、話してなくてごめん」

『長いのか？』

裕「うん、もう、一年」

裕「それでさ、」

『？』

裕「何れ、結婚したいと思ってる』