検索窓
今日:11 hit、昨日:23 hit、合計:23,945 hit

あいすくりーむ 59 ページ19

「…!?」




「藤ヶ谷さん!?」




一瞬、腕の中で固まった君が…
手の中に捕まえられた小鳥のように暴れだす







「嫌ッ!!」






「離してッ!!」





分かってる

分かってるよ、


こんな事しちゃいけないことは…

でも…




自分でも、制御出来ないんだ

自分で、自分の気持ちがコントロール出来ないんだ






太「少しでいいから…」




お願いだから…

じっとして





「…嫌ッ!!離して!!」






太「…黙って!!黙れよ!!」




抱きしめられて、身動き出来なくなった身体の代わりに、その声だけが大きくなっていく




このままじゃ、店の中に聞こえる







太「黙って…!」



掬い上げるようにして、パクパク動いてる唇を
塞いだ




「…!?」



柔らかな唇に、僅かな隙間もないように
唇を押しつける





黙って…

じっとして…








力が抜けたように、動かなくなったAちゃん



身体も、唇も動かなくなった代わりに

大きく見開かれた瞳からは、涙が溢れてる





こんな事したい訳じゃなかったのに

彼女を泣かせたい訳じゃなかったのに







ごめん…


ぎゅーと、胸が締め付けられた





.





.






.






太「…ごめん…」




唇と身体を解放したその瞬間、

声を聞きつけた店員が、ドアをノックした





『何かありましたか?』


若い男の子の声だった

店長いないのかな?いれば、こんな風に声をかけたり
しないのに






太「あ、なんでもないです」


変な勘ぐりをされないよう、平静を装って返事をした






.






.





.





太「あの… Aちゃん、ごめ…」






何をどう説明すればいいのか、分からなかった

自分で自分の気持ちが、分からなかった






「帰ります…」






!?




太「送っていくよ…」







.






.






.







「…嫌、です」





「…藤ヶ谷さんを呼び出した自分が悪いし、振り回した自分が悪いから…」






「…自分で、自分が嫌いだけど…」





.






.






.






「藤ヶ谷さんは…もっと嫌い!!」

あいすくりーむ 60→←あいすくりーむ 58



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
140人がお気に入り
設定タグ:キスマイ , 藤ヶ谷 , 玉森   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:トウコ | 作成日時:2020年6月7日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。