あいすくりーむ 59 ページ19
「…!?」
「藤ヶ谷さん!?」
一瞬、腕の中で固まった君が…
手の中に捕まえられた小鳥のように暴れだす
「嫌ッ!!」
「離してッ!!」
分かってる
分かってるよ、
こんな事しちゃいけないことは…
でも…
自分でも、制御出来ないんだ
自分で、自分の気持ちがコントロール出来ないんだ
太「少しでいいから…」
お願いだから…
じっとして
「…嫌ッ!!離して!!」
太「…黙って!!黙れよ!!」
抱きしめられて、身動き出来なくなった身体の代わりに、その声だけが大きくなっていく
このままじゃ、店の中に聞こえる
太「黙って…!」
掬い上げるようにして、パクパク動いてる唇を
塞いだ
「…!?」
柔らかな唇に、僅かな隙間もないように
唇を押しつける
黙って…
じっとして…
力が抜けたように、動かなくなったAちゃん
身体も、唇も動かなくなった代わりに
大きく見開かれた瞳からは、涙が溢れてる
こんな事したい訳じゃなかったのに
彼女を泣かせたい訳じゃなかったのに
ごめん…
ぎゅーと、胸が締め付けられた
.
.
.
太「…ごめん…」
唇と身体を解放したその瞬間、
声を聞きつけた店員が、ドアをノックした
『何かありましたか?』
若い男の子の声だった
店長いないのかな?いれば、こんな風に声をかけたり
しないのに
太「あ、なんでもないです」
変な勘ぐりをされないよう、平静を装って返事をした
.
.
.
太「あの… Aちゃん、ごめ…」
何をどう説明すればいいのか、分からなかった
自分で自分の気持ちが、分からなかった
「帰ります…」
!?
太「送っていくよ…」
.
.
.
「…嫌、です」
「…藤ヶ谷さんを呼び出した自分が悪いし、振り回した自分が悪いから…」
「…自分で、自分が嫌いだけど…」
.
.
.
「藤ヶ谷さんは…もっと嫌い!!」
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作者名:トウコ | 作成日時:2020年6月7日 9時